2.オフショア活用の目的

 
さて、オフショアを活用する目的ですが、もし皆さんの中で「マネーロンダリング」や「脱税」をイメージされるとしたら、 その行為はまさに大きなリスクを背負った誤った考えであると言わざるを得ません。
現在、OECD加盟諸国をはじめとする先進国では、このような目的の排除のために、躍起になっています。 特にアメリカのテロ以降はその傾向が特に強くなっていると言えるでしょう。
現実にこの煽りを受けて、個人投資家が“まっとう”に海外で銀行口座を開こうとしても、本人確認が非常に厳しくなっています。 従って、「マネーロンダリング」のような利用方法は、ここでは対象としていません。

そして、本来的なオフショアを活用する目的(メリット)としては、以下の4つを挙げることが出来ます。(表2)
表2 オフショア活用目的
プライバシーの保護
財産保全
節税対策
国際分散投資

(1)プライバシーの保護
プライバシーの保護とは、本来その本人が人に知られたくないと思ったことや本人の胸の中だけにしまっておきたいと思っている気持ちを守ってくれることをいいます。
従って、その相手がたとえ国や親族、配偶者、取引先と誰であったとしても自分自身のプライバシーを守ってくれると言うことです。 特に金融の世界で言えば、日本国内の金融機関で“あなたの財産”のプライバシーを守ってくれるところ、または守っておけるところがどこかあるでしょうか? 但し、神話のように言われている「スイスのプライベートバンクなら安心」といった「スパイ映画」に出てくるようなことは、現実には今はありません。
やはり、明らかに犯罪資金と思われるようなお金の情報は、開示されています。
従って、上記でいう“プライバシーの保護”とは、あくまで合法的な財産についてと考えていただきたいと思います。

(2)財産保全(トラストの活用)
ある一定以上の資産家(相続税率50%かかる方!?)で、資産を後世にきちんと残しておきたいと思う方なら、このトラストの活用は大変効果的であるといえまず。 トラストとは、日本語にすると「信託」と訳されますが、内容は日本の信託とは全く違い、相続の際に自分の財産を自分の残したい人のために(遺留分も関係なく)、税金を回避しながら資産承継する“インターナショナルスタンダード”な手段と言えます。 中世の時代からヨーロッパの貴族や、アメリカの大富豪が代々資産を継承することができたのも、このトラストの仕組みがあったからに他ならないといえるでしょう。

(3)節税(タックスヘイブン)
オフショア活用の目的の中で、一番投資家が関心をもっているのは、この節税といえるかもしれません。 ただし、言うまでもありませんが、日本の居住者は、たとえ海外での所得が現地で課税されなかったとしても、日本国内では申告義務があります。
従って、本腰を入れてオフショアを活用するとなると、PT(パーマネントトラベラー)として非居住者になるか、オフショアに法人を設立した対応方法を考える必要があります。 この法人のことを通常「オフショアカンパニー」又は「IBC」と呼んでいます。オフショアに会社を作り節税する目的には、以下の2つが考えられます。
一つ目は、日本国内では金利も低く資産を増やすことが難しいため、資産運用を目的とした会社を設立し、この会社から金融商品を購入すると言った方法です。 従って、売却益や配当などに税金がかからずに蓄えることが可能となります。
もう一つの目的は、特許権や商標権などの知的所有権をこの会社に持たせ、そのライセンス料をこの会社に蓄えていくと言う資産保有会社の形態です。 どちらにしても、法人税がかからない地域であればそのメリットは大きなものがあります。
ただし、ここで留意しなければならないことは、現地法人に安易に「内部留保」できないようにするために、日本には「タックスヘイブン対策税制」という法律があることです。 簡単に言うと、日本国内の個人・法人が実質上所有する海外企業においては、その地域の法人税が著しく低いか無税の地域については、 その留保された利益に対して国内においてみなし課税をするというものです。
従って、この法律の適用を回避する方法をきちんと考えた上で、法人の活用を考える必要があるといえます。 いずれにしてもオフショアの節税とは、日本で発生した所得を隠すのではなく、所得の源泉を海外に移し、その後発生する利益に対して、合法的に留保しようと言うことが主眼になります。

(4)国際分散投資
私がオフショアの活用の中において、個人的にメリットがあると思っているのは、実はこの国際分散投資であるといえます。 なぜなら、お金の運用はうまいところに任せた方が、所得は増えるに決まっているからです。 当たり前の話ですが、税金は所得の全部を持っていくわけではないのです。
従って、今の日本国内で0.1%程度の運用と、オフショア金融商品で10%で運用するのでは、当然、税金など関係なく運用利回りが高いほど“手取り”は増えるわけです。 ちなみに皆さんは、0.1%で100万円を運用した場合、元本が倍(200万円)になるのに何年ぐらいかかるかご存知でしょうか?
答えは、約720年後となります。
それに対し、もし10%で運用できれば約7年強で資産は倍になるのです。

表3 運用利回りと期間
100万円が倍になるのは何年後?(複利)
利回り   必要期間
0.01% 約7200年
0.5% 約144年
7.0% 約10年

 

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1. オフショアとは何か?



3. オフショア活用の実際



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