こんにちは!
さて、前回、ドルコスト平均法を理解していただくために、「上昇を続ける相場」、「変動をしている相場」、そして「下降している相場」といったケーススタディをご紹介しました。
しかしながら、
「下降し続けて、一度も上昇しない相場」
や
「上昇基調で来て、急落した相場」
などでは、「利益」を出すことはできません。
例えば、基準価格1000円で始まって、毎月100円ずつ下がり続け、半年後500円で終わったような場合、その時点では当然ですが、利益を出すことはできません。
1000円→900円→800円→700円→600円→500円
これでは、いくら毎月の口数が増えても、価格が「最安値500円」の状態(時点)なので、「利益」を上げることが出来ないのです。
前回紹介した「下降している相場」の場合は、「最安値100円」の時期に、口数をたくさん購入することが出来たため、価格が当初の6割下がり、「400円」になったとしても、「利益」を上げることができました。
また、上昇基調で来て、急落した相場においても、収益を望むことは難しくなります。
例えば、2004年から2007年に、日経インデックスに投資した場合、2005年後半から2007年春先までは、上昇傾向でした。
しかしながら、年末にかけて、価格が急落して終わっているため、その“時点”での基準価格は低く、利益を上げることが出来ない状況でした。
※実際に私は、投資をしていたので、よく覚えています。
整理をすると、
「ドルコスト平均法を用いても、下げ切った相場(底値)では利益は出せない」
ということです。
すなわち、積立投資を“やめる時期(時点)”が、非常に重要なポイントと言えるのです。
下落相場において、株価や基準価格が下げた場合、その時点で市場から退出しては、「利益」を獲得することはできません。
ただ、通常の人間の感情では、“下げ相場”においても、投資を続けることは、時には「ストレス」を感じ、また「勇気」も必要です。
しかしながら、「積立投資」であれば、“人間の判断”や“感情”に関係なく、自動的に毎月買い付けを行ってくれます。
“下げ相場”の時ほど、「今は、仕込みの時期」と考え、黙って積立を続けることが重要なのです。
また、「積立投資」の場合、どこで“山や谷”が来るかわかりません。
従って、ある程度「時間的」な余裕が必要です。
私の場合、最低5年、できれば10年超の積立期間を推奨しています。
そして、最後にもうひとつ、「積立投資」で重要な“ポイント”があります。
それは、その投資対象に、“将来性”があり、5年後10年後という投資期間に応じ、“成長”が望まれる国や分野に投資を行うということです。
長い期間、投資を続けたとしても、“成長”が望めない市場では、あまり大きな「収益」を期待することができないからです。
別の言い方をすれば、将来の“成長性”が見込める市場や分野に投資を行うということです。
ただし、個別企業の株式を購入し続けるような場合は、その企業の潜在的なリスクもあるため(東電などのように)、個人的にはファンド(投信)での「積立投資」をお勧めしています。
では、ここで、整理をしておきましょう。
「ドルコスト平均法」を用いた「積立投資」を行う場合、私の考える“勝つための前提条件”としては、
(1) | 投資期間中、いつ”谷や山”になるか予測できないため、なるべく「運用期間」、「投資金額」には余裕をもつ |
(2) | 相場が”底”の状態では、絶対に市場から「退出」しない |
(3) | 運用期間から見て、将来”成長性”が望め、最終的に「右肩上がりのトレンド」を望めるような市場、国、分野を選ぶ |
の3つを、是非、実践していただきたいと思います。
そうすればかなりの確率で、「積立投資」で勝つことができるでしょう。
少なくとも、私自身は、10種類以上の積立投資を実践してきましたが、一度も“マイナス”で終わった投資はありません。
その他、「退出時」の留意点などもありますが、詳細については、是非一度「個別コンサルティング」などを、ご活用ください。
「ドルコスト平均法」を上手く活用し、「人生100年時代」を見据えた“資産形成”に、中長期で取り組んでいただきたいと思います。