さて、今年は、1971年8月15日に、米国のニクソン大統領が、「金・ドル兌換停止」を発表してからちょうど50年です。この機会に「ニクソンショック」を、簡単に振り返ってみたいと思います。
まずニクソンショックで、最も重要な点は、通貨に、「金(ゴールド)」という裏付けが無くなった事です。
それまでは、金1トロイオンス(約31.10グラム)は、35米ドルと交換可能でした。逆に言えば、ドル紙幣は単なる紙幣ではなく、「金」という裏付けがあったわけです。
ニクソンショックの意味するところは、米ドルという通貨が、米国という国の信用には基づく、“ただの紙切れ”になったということです。
それまで1米ドル=360円と、固定されていた外国為替相場は、スミソニアン体制を含む様々な変遷を経て、最終的には変動相場制に移行しました。変動相場制となって、自由になった為替レートは、乱高下を繰り返しながら、落ち着き所を今も探しています。為替レートは、株式や債券のような金融資産とは違い、「違う国の通貨同士の交換レート」という意味合いしかありません。為替レートそのものは、1米ドルは240円とか、77円、110円とか、その時の世界情勢によって、様々に変化しますが、一つ変わらないことがあります。
それは「一国一通貨」という体制です。
米国の通貨はドルであり、日本は円であり、英国はポンドです。
ユーロが導入されて、独マルクも仏フランも姿を消しましたが、ドイツの通貨も、フランスの通貨も、今はユーロだけです。
そこへ新たに登場したのが、国の制度に縛られない「暗号通貨」です。
今のところは、“ただの紙切れ”どころか、ネットワーク上の記号のような存在です。
急上昇しようが急落しようが、保有している人にしか直接的な影響はありません。
ニクソンショックは、大変な出来事ではありましたが、「一国一通貨」という根本的なところは、変わりませんでした。
制度、制約にできるだけ縛られたくない「暗号通貨」の登場によって、世界の通貨体制は、次の50年でどのような展開を見せるのでしょうか?
株式市場でも債券市場でも様々な変化が、今後もあることでしょう。
ただ、どのような変化が起きたとしても、人生を全うしていくためには、自分自身での「資産形成」は必須です。
数十年後、後悔することが無いよう今の状況で取り組むことができる最善の「資産形成法」で、まずは、将来に向けて一歩を踏み出しましょう。
自分にどのような「資産形成法」が向いているのか、まずは、ご相談ください。