こんにちは!
今年上半期のヘッジファンドの運用状況があきらかになったので、観ておきたいと思います。
年明け以降、資金流入が続いたヘッジファンド業界ですが、上半期を振り返ると、苦戦を強いられた状況が見えてきました。
米国ヘッジファンド・リサーチ社が算出するヘッジファンド総合指数は、1-6月期5.6%下落し、比較可能な1990年以降で過去最低の落ち込みとなりました。
中でも、株式市場の下落を受けて、「株式ヘッジ戦略」が-12%、企業のM&Aなどの収益機会を見出す「イベントドリブン戦略」も-7%下落となっています。
株式を対象とするヘッジファンド戦略の中では、市場の価格変動に対して中立を目指す「マーケット・ニュートラル戦略」指数が、0.3%の下落と最も小さかったことから、ロング(買い)、ショート(売り)にバイアスを掛けた運用がうまく機能しなかったことが見えてきます。
一方、好調だった戦略は、為替や金利、商品など、あらゆる資産を投資対象とする「マクロ戦略」で、こちらは9%の上昇となっています。上期は特に、商品やドル高など、明確なトレンドがあったため、収益向上に繋がったと考えられます。
このように戦略によって、明暗が分かれたヘッジファンド業界ですが、全体では、上期に77億ドルの資金流出超過となりました。
2021年は151億ドルの流入超過だったため、様々なマーケットから資金が流出した中、ヘッジファンドもその受け皿にはなり切れなかった側面が伺えます。