こんにちは!
「マネージド・フューチャーズ」とは、商品や株式、債券、通貨などの先物で運用を行うヘッジファンド手法のひとつです。
トレンドをうまく捉えることができれば、「上げ相場」でも「下げ相場」でも、利益を得ることができるのが特徴です。
特に、2008年の“金融危機”時においては、大きくリターンを上げ、一躍脚光を浴びた戦略です。当時は、欧米の金融機関のほか、各国の年金基金や個人富裕層の残高も急増しました。
ただ、その後、マーケットの「リスクオンとオフ」が、短期間で目まぐるしく変わる、いわゆる“足の速い相場”となるに従い、苦戦を強いられる年も目立つようになってきました。
今回は、その代表格として、“トレンドフォロータイプ”の2つのファンドを取り上げたいと思います。
投資対象は、100種類以上の先物・先渡取引市場と、数千を超える株式・クレジットで、「買い(ロング)」と「売り(ショート)」の取引を、独自のデータ分析を駆使し、システマティックに運用を行っています。
10年前までは、比較的コンスタントに、年間10%以上の利益を出していましたが、上述の通り、近年は相場環境が大きく変化したことから、マイナスの年も観られるようになっていました。
ただ、2021年は原油を始めとする「コモディティの上昇」、そして2022年は株式が低迷する中、「米国の利上げ」に明確なトレンドが見られたことなどから、2年連続“2桁の収益”を上げています。
今年に入ってからは、3月にシリコンバレー・バンクの破綻を機に株式市場が下落し、過去最大の下落月を記録する一方、翌月には、今度は株式ロングショート、農作物、通貨がけん引役となり、過去3番目の上昇月となり、前月のマイナス分を一気に取り戻しています。
このように騰落率の大きい戦略のため、ハイリスクハイリターン型の戦略ではありますが、株式との“相関性の低さ”が注目され、人気のヘッジファンド戦略の一つと言えます。
ちなみに、2つのファンドの直近5年の年度別成績を観ると、以下のようになっています。
<A Fund> | |
---|---|
2018年 | -23.4% |
2019年 | -3.1% |
2020年 | 9.6% |
2021年 | 39.9% |
2022年 | 23.1% |
2023年4月現在 | -1.1% |
設定来の収益率:8.6%
変動率:28.8%
<B Fund> | |
---|---|
2018年 | -0.57% |
2019年 | 3.00% |
2020年 | -20.60% |
2021年 | 12.92% |
2022年 | 17.00% |
2023年4月現在 | 1.27% |
設定来の収益率:10.1%
変動率:14.7%
同じ“トレンドフォロータイプ”のファンドですが、その手法の違いから、2018年と2020年は全く違う動きとなっていることがわかります。
各ファンドの概要につきましては、以下をご覧ください。
<A Fund> | |
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ファンド形態 | トレンドフォロー型マネージド・フューチャーズ |
運用開始日 | 2003年4月 |
投資通貨 | 米ドル、ユーロ、円、スイスフラン、英ポンド、豪ドル |
購入手数料 | 管理口座により異なります |
解約手数料 | 1% |
取引頻度 | 毎月 |
<B Fund> | |
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ファンド形態 | トレンドフォロー型マネージド・フューチャーズ |
運用開始日 | 1997年10月 |
投資通貨 | 米ドル、ユーロ、英ポンド、円、カナダドル |
購入手数料 | なし |
解約手数料 | なし |
取引頻度 | 毎月 |
なお、上記ファンドに関するご質問などについては、「2023-6 マネージド・フューチャーズファンド」で、お問合せください。
価格変動が大きいため、「リスク許容度」がある程度高い方が対象となりますが、株式とは異なった動きをする“オルタナティブ投資”に関心がある方には、面白いファンドではないかと思います。
ご参考としてください。