こんにちは。
最近、「ユーロと米ドルが等価に」というような報道を、時々目にするようになってきました。外国為替市場では、特に4月以降、米ドルの強さに弾みがついてきました。日本円に対してだけでなく、他の通貨に対しても同様です。
昨年末のNY市場でのユーロ対米ドルの終値は、1.1370でした。1ユーロと交換する為には、1ドル14セントの米ドルが必要という事です。
以前にもご説明しましたが、1ユーロ=1.1370米ドル、という表示の仕方をする通貨は、現在では、英ポンド、豪ドル、ニュージーランドドルなど、ごくわずかです。
大半の通貨は、日本円のように、1米ドル=138.00円のように表示されます。
話をユーロに戻して、昨年末に1ユーロと交換する為には 1.1370ドル必要だったものが、今は 1.0130 米ドル(7月19日午前10時現在)となりました。約1ドル1セントです。つまりユーロを保有している人は、それだけ少ない米ドルしか受け取れないことになります。
1999年に、1ユーロ=1.17ドルでスタートしたユーロは、いきなり試練を迎え、2000年10月には0.82米ドルまで下落します。しかし、2008年には、逆に1.60台までユーロ高米ドル安が進みました。
このレートが今はほぼ1.00になりつつあるため、「ユーロと米ドルが等価に」と言われているのです。
いずれにしても、為替レートはただの交換価値です。日米金利差があるので、ドル高が進んでいると説明する人は多いですが、ドル円は昨年末からの変動幅が20.4%円安、ユーロドルは11.3%ユーロ安、そして、ユーロ円では6.7%ユーロ高となっていますが、この変動幅の違いを明確に説明できる説はありません。
ただ、「少子高齢社会」「成長力鈍化」「生産性の低下」「金利水準」など、今後日本円があまり強くならない問題を抱えていることも確かです。
将来のための「資産形成」を考える時、米ドルを中心とした外貨建て資産も、検討する“トキ”が来ています。実際の取り組み方など、よくお分かりにならない方は、ご遠慮なくご相談ください。