Management Performance Of The World's Largest Swf Sovereign Wealth Fund Ifa Japan

世界最大のSWF(政府系ファンド)の運用実績

こんにちは!

さて今回は、世界最大級の政府系ファンドといわれる「ノルウェー政府年金基金」の2023年運用実績を観ていきたいと思います。

「ノルウェー政府年金基金」は、北海の石油や天然ガス田から得られるノルウェー政府の資源収入を原資として運用を行っています。2023年末時点の運用残高は、15.7兆クローネ(約222兆円)となっています。
運用の実務については、中央銀行であるノルウェー銀行・インベストメント・マネジメントが行っています。
運用スタイルとしては、世界中の株式や債券、不動産などへの「分散投資」です。

2023年の運用実績ですが、年間の収益率は16.1%と、4年ぶりに高水準での運用となりました。
要因としては、「ポートフォリオ全体」の7割を占める株式が、21.3%と好調だったことが挙げられます。
中でも、米国をはじめとするテクノロジー関連株が、けん引役となりました。
また、全体の3割弱を占める債券は、6.1%での運用でした。

一方、全体の2%程度組み入れている不動産クラスが、金利上昇による価格下落で、
-12.4%と足を引っ張る格好となりました。
とはいえ、試算の大半を占める株式と債券の好調さで、2桁運用を挙げることができました。

今年の運用方針としては、政策金利の高止まりが続くとの見通しから、保有債券の残存年数(デュレーション)を7年とし、債券からの利回り収入を確保するとしています。
また、オルタナティブ(代替資産)投資も検討しており、「PE(プライベートエクイティ)」への投資も検討しているようです。
非上場市場の企業価値が拡大している中、市場平均と比べて“超過リターン”を挙げるために、「ポートフォリオ」の3-5%程度の組み入れを行う予定としています。

上記のように、政府系ファンドも、株式や債券投資に対し、為替動向、金利水準を意識した「分散投資」を徹底していることがわかります。

日本の個人投資家にとっては、今まさに「新NISA」が始まり、国民の資金も、リスク性商品に向かうようになってはきましたが、いまだ、その大半はインデックス運用です。

「貯蓄から投資へ」の“入り口”としては良いと思いますが、本格的な「資産形成(運用)」においては、年金基金の運用方針なども参考に、アクティブな運用も必要ではないかと考えています。

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