さて、今回のテーマは、「中国経済と株価」についてです。
2019年3月14日に、中国国家統計局が発表した中国工業生産の数字によると、2019年1~2月は、前年同期比5.3%増でした。
日本でいろいろな数字を見聞きしている感覚からしますと、良い数字のようにも思えるのですが、伸び率は昨年12月の5.7%から減速して、10年ぶりの低い数字でした。
興味深いのは、最近こういった中国経済減速を示す統計数字が、相次いで発表されているにも関わらず、中国の株価があまり下落していないことです。
上海総合指数を観てみますと、
直近(3月18日午後4時) 3,096.42
2019年 1月末 2,584.57
2018年 12月末 2,493.90
2018年 9月末 2,821.35
2018年 3月末 3,168.90
2017年12月末 3,307.17
もちろん2016年のように、5,000台まで急騰とはいきませんが、それでも3,000の大台には、しっかりのせてきています。
やはり全人代(全国人民代表大会)で、数々の景気刺激策が出されたことが、株式市場を下支えしているようです。
このあたりが良くも悪くも「共産党一党独裁」で、政治経済の運営が全て行われている国らしいところです。
しかし、長い目で見れば、こういったやり方では、どこかで一回大きな破たんが起きて、「消えるべきゾンビ企業が清算される」というプロセスが省略されてしまいます。
つまり、ゾンビ企業が何らかの形で、生き残り続けてしまうという危険性が、秘められているのです。
目先は、国家当局の強力なバックアップで、経済・金融が持ち直したとしても、常に油断せずに、目を凝らしていなければいけない市場です。私たちも引き続き、中国経済の動向を注視していきたいと思います。
中国に限らず、新興国株式や先進国株式、もちろん国内株式につきましても、「ポートフォリオ」における配分割合等、気になる方はお気軽にご相談ください。
ご相談につきましては、直近では、3月23日土曜日の午後が、予約可能となっています。