こんにちは。
さて、今回は、7月下旬からの相場の乱高下について考えてみたいと思います。
それまでにも伏線はあったにせよ、直接的には、日銀総裁の発言をきっかけとして、株式市場でも外為市場でも、想定以上の大乱高下が始まりました。
AIや半導体関連株式にけん引された今年前半の相場でしたが、景気後退懸念や米大統領選挙の行方など、さまざまに要因を分析して、一旦売る機会を探していた投機筋に、日銀総裁の「情勢次第で今後も金利を上げるかもしれない」という表現が見事にはまり、相場の大乱高下に繋がってしまったようです。
間の悪いことに、日銀総裁の発言が7月31日、そしてその2日後の金曜日には、米国失業率が市場の予想を超える悪い数字だったことから、市場はある意味、パニックに陥りました。
ただ、今回は「リーマン・ショック」時のように、世界中の金融機関や投資家がいったいどれだけの損失を抱えているのかわからないというパニック状態だった時とは明らかに違います。
地政学的リスクや米大統領選で再びトランプ氏が社会の分断を加速させるかもしれないという大きな不安要素はあるものの、「リーマン・ブラザース」のような大証券会社が、あっけなく潰れてしまったという未曽有の金融危機とは、少なくとも金融という分野に限って考えれば、同じ状況ではありません。
このところ、マスコミの記事などでは、「新NISAで新しく投資を始めた投資初心者が大きな損失をこうむって・・・」といった記事が出ていますが、新NISAの上限は、毎月の積立考えれば、「つみたて投資枠」「成長投資枠」を併せても月30万円です。
新NISA導入で一躍有名になった「オルカン」を1月から7月まで、7か月間毎月15日に買い続けて、8月9日の基準価額で計算しても、7か月の投資額210万円に対して、含み損は3万円強、率にしても2%以下です。
いつ下落前の相場に戻るかはわかりませんが、逆に、半年、1年とかかるのであれば、その間、以前より“割安な価格”で購入を続けることができるということです。
目先の上下に一喜一憂することなく、「下がったら、たくさん買える」という積立の利点を活かして、淡々と「資産形成」を続けていただければと思います。