こんにちは!
さて、今日の数字は、多額の“マイナス”です。
新型コロナウイルス、そしてロシアによるウクライナ侵略によって、日本、そして私たちの生活にも大きな影響が出ています。
今年の上半期の日本の貿易収支は、過去最大の赤字額となっています。
財務省が発表した「貿易統計速報」によれば、2022年上半期の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、7兆9241億円の赤字となりました。
2014年の上半期7兆6281億円が、今まで最大の赤字額でしたが、それを超えたことになります。
最大の要因は、ロシアによるウクライナ侵略によって、原油をはじめとする資源価格の高騰が挙げられます。
まず輸入額は、前年同期比39.7%増加し、53兆8619億円となりました。原油を含む原粗油や液化天然ガスが約2倍、石炭も3倍以上に膨らみました。
一方、輸出額は、鉄鋼や電子部品などが伸びて、金額では15.2%増の45兆9378億円となりましたが、輸入額の伸びには追い付きませんでした。
国・エリア別にみると、一番大きく影響したのは中国でした。貿易収支は2兆4625億円の赤字となり、半期としては過去7番目の大きさとなっています。
中国のゼロコロナ対策で、上海などのロックダウンが影響し、ハイブリッド車やエンジンの輸出が大きく落ち込みました。一方、半導体電子部品などの中国からの輸入は増加し、輸入額は16.9%増加の11兆3862億円と過去最高となっています。
その他、対米国では、2兆8950億円の黒字、対アジアでも1兆8606億円の黒字、そして、対EUにおいては、1兆1569億円の赤字となっています。
このように、中国のコロナ対策によって輸出が抑制される中、ウクライナ侵略による資源価格、とりわけエネルギー価格の高騰が、日本の輸入増となって表れています。
ちなみに、上期の貿易統計上の為替レートは、1ドル=121.36円でした。ただ、足下では、130円台半ばから後半となっていることから、日本の貿易赤字はさらに拡大すると見られています。