さて、今日は、とても大きな数字です。日本の土地や住宅、工場などの資産から負債を引いた「国全体の正味資産(国富)」が、リーマンショック前の水準を回復したようです。
国民経済計算年次推計によると、2016年度末時点の国富が、前年比1.6%増し、“3350.7兆円”となったことがわかりました。
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国富は、日本の個人、企業、政府などが保有する資産から、負債を差し引いて求めます。
国民の総資産は2.9%増加し、1京496兆円だったのに対し、負債は3.5%増加の7146兆円と、どちらも過去最大でした。
国富が増加した要因としては、地価の上昇で31.2兆円、固定資産が10.1兆円、そして、対外純資産が経常収支の黒字を受けて、9.9兆円増加しました。
「国富が黒字であれば、国がつぶれることはない」といった考え方もあるようですが、毎年数十兆円の財政赤字が積み上がる状況には、やはり“違和感”を覚えます。
国富(ストック)が潤沢にあるうちに、財政収支(フロー)を改善してもらいたいものです。
内閣府の試算では、財政健全(黒字)化は、2027年まで、また2年先送りとなりました。
当初は2020年としていた目標が2025年になり、そして今回の先送りです。果たしてこの後どうなるのか、“無関心”になることだけは、避けたいですね。