さて、前回同様、今日の数字も、私たちの老後の生活にとって重要な要素、「年金運用」に関する数字です。
先般、2017年度(2018年3月末)時点における年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の公的年金の運用実績が、試算されました。
それによると、昨年度の運用益は約10兆円で、2年連続でプラスの運用となったようです。
特に昨年4月から12月の運用は好調で、15兆6千億円の収益を稼ぎ出しました。
ただ、1-3月期については、ご存知のように、年初からの株価下落などの影響を受け、5兆7千億円程度の損失を出した模様です。
GPIFの昨年12月末の資産に占める株式の割合は、国内株26.05%、外国株25.08%と、全体の5割以上を占めています。
従って、“収益性”を高めることができる反面、“価格変動性(ボラティリティ)”も高くなり、株式市場などの下落局面で、値下がりする場面もでることとなります。
ただ、昔のように国内債券だけで運用していたのでは、この超低金利の時代には、残高が目減りしていくだけです。
中長期的に年金基金を維持するうえでも、ある程度の“リスク”を取らなければならず、また今まで実績も出してきています。
そして、よりリスクを低減させるために、新たに、株や債券と違った投資先である「オルタナティブ資産」を組み入れながら、運用に工夫もしています。
私たち個人の人生設計も、公的年金だけで、「人生100年時代」を生き抜くことが難しい今、「個人型確定拠出年金」などの税制優遇を受けながら、運用手法についても、GPIFに学ぶところが多いと思います。
そして改めて、個人の「中長期運用」には、“分散”と“積立”が、有効な手段と言えるでしょう。