さて、今日の数字は、ある投資主体が保有する日本株式の金額です。日銀がETFの購入を続ける7年強の間に、日経平均株価は2倍以上に上昇しました。
東京証券取引所の発表によれば、2017年度末の個人が保有する日本株の金額が、11年ぶりに100兆円を超え、113兆円になったことが分かりました。
個人の株主数(延べ人数)も、5129万人となり、5000万人を突破しました。
ただ、投資主体別の比率でみると、個人投資家は、前年度より0.1%低下し、17.0%と、1970年度の調査開始以来、最低水準を更新しています。
100兆円を突破し、また延べ人数とはいえ、5000万人を超えたのに、なぜ、個人の保有比率は減ったのでしょうか!?
それは、株価の上昇分を、日銀が吸収し続けているからです。
投資主体別に観た保有割合は、以下のようになっています。
2017年度 日本株への投資主体の割合
外国法人 30.2%
事業法人 21.8%
信託銀行 20.4%
個人投資家 17.0%
都銀・地銀・生保 8.2%
その他 2.4%
日本株の売買の7割を占める外国法人は、相変わらず1位を占めていますが、前年比からの伸びは0.1%に留まっています。
さて、前述した日銀の名前がありません。
日銀の保有分は、実は「信託銀行」の中に含まれています。
順調に回復してきたかのように見える日本の株価ですが、今までの値上がりの局面で、個人の“利益確定売り”を吸収してきたのは日銀です。
ある意味、「日銀が買ってくれるから大丈夫」といった雰囲気すらありました。
とはいえ、先進各国が、量的金融緩和の出口に向かい始めている中、日銀だけが、株式を買い続けているわけにはいきません。
どこかで、「出口」に向かわざるを得ない“トキ”がきます。
その“トキ”がいつなのか、市場参加者は、皆、固唾を飲んで見守っているのです。