こんにちは!
さて、今日の数字は、家計の金融資産残高です。6月末時点で、2四半期ぶりに、前年比0.1%の減少となりました。
今後、家計における“最大のリスク要因”は、一体何なのでしょうか!?
米中の貿易戦争などの影響もあり、今年前半は、株式や投資信託の残高が減少しました。株式は、前年比9.7%減少し、195兆円、投資信託も、3.7%減少し70兆円となりました。
これらいわゆる「リスク商品」の残高が減ったのは、株価下落もありますが、取引自体も減っていることが挙げられます。
一方、現預金は、前年比1.9%増加し、991兆円となりました。これで、現預金の増加は、50四半期連続となり、金融資産残高の53.3%を占めています。
「米中問題などで、株価が下落しているが、私は現預金だけで、リスクを取っていないから安全」という方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、本当に、それは“安全”なのでしょうか!?
1860兆円という「ポートフォリオ」全体で考えた場合、株式市場が下落して影響を与えるのは、株式と投資信託の合計265兆円です。これは全体の14.2%のお金にしかすぎません。最も家計にとって影響を与えるのは、「現預金」に対するリスクです。
では、「現預金のリスク」とは、一体何なのでしょうか!?
その答えは、“インフレ”になることです。
私たち身の回りの商品が、2倍に値上がりしたことを想像してみてください。ハンバーガーが、1個200円が400円、炭酸飲料が、1本150円が300円、ガソリンが、1リットル140円が280円、といった具合です。ひとつひとつの額は小さいですが、要は、1000円札で買えるものが、半分になるということです。
つまり、国民の現預金991兆円の価値が、半分になってしまうのです。
「お金(貨幣)」の価値とは、“額面価額”ではありません。あくまで、“使用価値”です。
日本では、20年以上もの間、デフレが続いているため、いまの30代前後までの若い方は、想像ができないかもしれませんが、バブルを知っている年代の方は、“インフレ”の意味が分かるはずです。
国民の金融資産の最大のリスク要因は、株式市場の急落ではありません。
急激なインフレになることです。
現預金だけしか持っていないということは、決して「安全」ではないということを、改めて考えておく必要があります。
そして、“インフレ対策”としては、やはり物価上昇と共に、上昇する可能性のある「有価証券(株式や投信)」を、一部保有するということだと思います。
今後の経済情勢が“どうなってもよいように”、しっかり準備をしておきたいものです。