さて、今日の数字は、政治的思惑にも関係ある数字です。
米国財務省の発表によれば、6月末の米国債の国別保有額で、中国が9カ月ぶりに、1位になった模様です。
保有額は、5月末より443億ドル増加し、1兆1465億ドルとなりました。
2016年10月以降、1位に返り咲いていた日本は、1兆908億ドルで2位でした。
中国は、急激な経済成長に伴う外貨獲得によって、2008年9月に初めて、米国債の保有額1位となりました。
ただその後、2015年の後半に、中国経済への不安から、「元」は下げに転じたため、中国は外貨準備を用いて、大規模な「ドル売り、元買い」に走り、人民元の下落を防いできました。
そして、今年に入ってからは、元の“下落圧力”が弱まり、外貨準備が6カ月連続で増加したことから、その資金で、再び米国債に投資を行ってきたとみられています。
中国は、北朝鮮問題や知的財産権の侵害問題などで、米国と対立する局面もあるため、米国に圧力をかける材料の一つとして、「米国債保有高 世界1位」の地位を、保っておきたい面もあると思われます。
債券の投資先としても有力な米国債ですが、政治的な思惑からも、今後も日中の“1位争い”は、話題となりそうです。