さて、今日の数字は、世界経済の成長率です。IMFは、「世界経済は低迷を続けている」と、指摘しています。
国際通貨基金(IMF)は、この度、2019年の経済見通しを発表しました。
それによれば、前回4月の予測に比べ、0.1%下方修正し、3.2%としました。経済見通しが下方修正されたのは、これで4期連続となります。最大の要因は、米中の貿易戦争で、これにより世界の貿易量の予測は、前年比3.4%増から、2.5%増へと、0.9%も引き下げられました。
また、各国の成長率予測と、前回との「差」は、以下のようになっています。
2019年の経済成長率予測
今回 | 前回との「差」 | |
---|---|---|
世界全体 | 3.2% | -0.1% |
日本 | 0.9% | -0.1% |
米国 | 2.6% | 0.3% |
ユーロ圏 | 1.3% | 0.0% |
中国 | 6.2% | -0.1% |
ブラジル | 0.8% | -1.3% |
ロシア | 1.2% | -0.4% |
世界貿易 | 2.5% | -0.9% |
上記を観てみると、国によってバラツキがあることがわかります。
中国が下方修正されたのに対し、米国は、0.3%上方修正されました。ただ、米国経済も、このまま2020年に入ると、1.9%の成長率まで落ち込むと予測しています。その他、新興国も、軒並み下方修正されました。
一方、日本は、貿易量の減速と共に、秋の消費増税がマイナス要因とみられていますが、政府による内需喚起策によって、ある程度カバーできるとみているようです。
いずれにしても、米中の貿易戦争が、世界経済の足を引っ張っていることに変わりはありません。
本格的な景気低迷に陥る前に、“解決の兆し”が、見えてもらいたいものです。