さて、今日の数字は、最近、“兆”のつく数字が多いだけに、あまり大きく感じないかもしれません。
そうなんです!
ピーク時の8%程度にまで急減しているある債券のお話です。
地方自治体が住民など、個人向けに発行している「住民参加型市場公募地方債」、いわゆる“ミニ公募債”の発行が急激に減少しています。
総務省のまとめによると、2018年度に発行を予定しているのは28自治体で、前年度約2割減少して、287億円の予定額となっています。
ミニ公募債は、額面が1万円、10万円など、小口で買うことができ、また地域の自治体が発行するため、住民の行政への参加意識を高める効果も期待され、2001年度に始まった制度です。
2006年度には、総額3513億円まで発行が膨らみましたが、現在は、その1割にも満たない状況となっています。
最大の要因は、“超低金利状態”が続いていることです。2006年当時は、5年債で1.38%程度あった利率が、最近では0.1%を下回るようになってきました。
購入する側の個人にとっては、「金利に魅力を感じなくなった」ということが言え、発行する側の自治体も、「高い金利を支払わなくとも、資金調達の手段が多様化できている」といったことが言えます。
とはいえ、ミニ公募債を発行する最大の目的が、「住民の行政への参加意識を高める」ということであれば、金利だけでなく、関連イベントの開催、ネットを使った情報提供など、工夫できることは、まだまだたくさんありそうです。
今後、人口が急激に減少してゆく日本にとって、住民の自治体運営への参画は、大変重要なテーマです。
「ミニ公募債の在り方」、今一度、見直す時期が来ていると言えそうです。