こんにちは!
さて、今日の数字は、皆さんの老後の生活設計に、大きく影響する「確定拠出年金」に関する数値です。
ご存知のように、「確定拠出年金」は、今の厚生年金と違い、将来、“必ず自分に戻ってくる年金制度”です。
ただ、その受け取り方には、かなりの“偏り”があるようです。
確定拠出年金には、「企業型(401k)」と「個人型(iDeCo)」がありますが、どちらも受け取る際には、3つの方法から選ぶことができます。
1つ目が、「一時金」として一度に受け取る方法、
2つ目は、「年金」として分割して受け取る方法、
そして3つ目が、その「併用」です。
では、実際に、加入者はどの方法で受け取っているのかを、企業型と個人型で観てみると、以下のような偏った結果となりました。
企業型(401k) | 個人型(iDeCo) | |
一時金 | 94% | 89% |
年金 | 5% | 10% |
併用 | 1% | 1% |
企業型の94%、そして個人型の89%が、「一時金」を選択しているのです。
本来、“年金”という名前が付いているのに、なぜこのような結果となっているのでしょうか!?
それには、年金税制が大きく関わっています。
現在、年金には受け取る時に、非課税枠があります。
65歳未満は、年間70万円まで。
65歳以上は、年120万円となっています。
従って、厚生年金と合わせて、「年金」として確定拠出年金も受け取った場合に、課税額が多くなることが考えられます。
一方、一時金で受け取った場合は、「退職金」と同じ仕組みで課税されます。
非課税枠は、1年から20年までは、年40万円。21年目以降は、年70万円の非課税枠があり、非課税枠を超えた額の1/2に、税金がかかる仕組みとなっています。
例えば、30年積み立てた人の場合、
20年×40万円+10年×70万円=1500万円
までが、非課税枠となります。
従って、退職金が無い会社や中小企業などに勤めている方にとっては、一時金で受け取った場合、ほとんど非課税で受け取れるケースが多いため、9割の人が、一時金を選択しているようです。
さて、ここで考えて頂きたいことは、受け取り方の問題というより、「自分自身のために貯めた年金」が、“税制優遇”を受けながら、必ず自分に戻ってくるという点です。
会社が401kを導入されている方はもちろん、制度が会社に無い方は、まずは、個人型を始めることです。
20年、30年といった期間は、長いように感じるかもしれませんが、過ぎてしまえば、「あっ」という間の時間です。
その間、天引きや銀行引き落としで、淡々と掛け金を積み立てた人と、してこなかった人とでは、60歳、65歳といった年齢を迎えたときに、大きく“自由にできるお金”が違ってきます。
まずは、始めていない方は、一歩踏み出し、始めている方は、効率よく「資産形成」できるようしっかりとプランを見直しておきましょう。