さて、今回は外貨を活用した仕組み債について、取り上げてみたいと思います。
仕組み債とは、一般的に金利の違う通貨をうまく活用して、組成させる債券のことを指します。
よく知られたものには、デュアル・カレンシー債というものがあります。
デュアル・カレンシー債とは、異なる二種類の通貨を、元金の払込、利払い、償還金に対して、使いわけを行う債券のことです。
例えば、日本人向けに組成されているデュアル・カレンシー債は、
払込み・・・円建て
利払い・・・円建て
償還 ・・・外貨建て
といったタイプが多くあります。
この場合、金利に対して為替リスクはありませんが、元本は為替リスクを負うことになります。
この元本の為替リスクを取りたくないという投資家の為に、為替リスクを利払い部分にだけ限定したリバース・デュアル・カレンシー債というものもあります。
払込み・・・円建て
利払い・・・外貨建て
償還 ・・・円建て
この場合には、利払い部分だけ為替リスクがありますが、満期まで保有すれば、発行体の債務不履行がない限り、元本割れはないということになります。
ただ、元本及び利払いに対しても、為替リスクを取りたくないという方も当然出てきます。
そこでそのような要望を持った投資家の為に、組成される仕組み債が、ユーロ円コーラブル債です。
払込み・・・円建て
利払い・・・円建て
償還 ・・・円建て
運用通貨・・金利の高い外貨
運用のみ金利の高い通貨を用い、払込、利払い、償還は全て円建てになっています。発行体は、ユーロ圏の金融機関が多いようです。
コーラブル債とは、償還期限前に発行体が、償還できる権利のついた債券の事を言います。
例えば、30年後が償還期限の債券であっても、円安などが進み、債券の維持よりも、有利な運用環境になったと発行体が判断した場合に、償還を早められるオプションを、発行体が持っている債券のことです。
仕組み債は、通常、私募債として、個別に組成するケースが多いので、ご自分の投資条件を考慮して、商品を組成することが可能です。但し、手間のかかる分、最低投資額は5000万円くらいからが、一般的なようです。
ご参考としてください。