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公的年金の財政検証―その1

こんにちは!

さて、急激に日本の人口が減少する中、私たちが将来受け取る公的年金にも影響が出始めています。
そんな中、今年は、厚労省が行う「財政検証」の年となっています。

財政検証とは、“100年先まで見通した年金財政の持続性”を点検するもので、5年に一度実施されます。
厚労省は、夏に示される検証結果をもとに、年金制度の具体的な改革案を練る事となります。

今回、この財政検証の前提となる“4つの経済シナリオ”が示されました。

この中で、年金積立金の「名目運用利回り」は、1.8~5.4%と設定されました。
これは、5年前の財政検証の1.3~5.0%を上回る利回りです。

年金の経済前提では、「生産性上昇率」、「実質成長率」、「物価上昇率」なども示されていますが、ここでは、“4つのシナリオ”の「名目運用利回り」を観ておきましょう。

(シナリオ)  (名目運用利回り)
成長実現 5.4%
長期安定5.2%
現状投影3.0%
ゼロ成長1.8%

上記の中、上位2つは、過去の年金の運用実績を上回る想定となっています。

ちなみに、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の実際の「名目運用利回り」は、2022年度までの22年間の平均で、“3.6%”です。

株式や外貨建て資産への配分、オルタナティブ投資の活用など、運用戦略を変更後、健闘しているGPIFの運用ですが、平均で5%超を出し続けることは、そう簡単な事ではありません。

ただ、これに基づく、検証結果をもとに、今後、
・在職老齢年金制度の見直し
・国民年金(基礎年金)の加入期間40年から45年への延長
・パート労働者の厚生年金加入の適用拡大
などが、検討されます。

今まで、政府による各種シナリオを観てきましたが、全般的に「想定が甘い」というのが、私の正直な実感です。

では次回は、実際に、今回どのような検証が行われたのか、観ていきたいと思います。

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