こんにちは!
さて、債券市場で、最近注目を浴びているのが、“ESG債”です。
世界で初めて環境債が発行されたのは、2007年でしたが、この14年間で市場環境は大きく変化しました。
資金使途などの情報開示や第三者認証といった環境債の枠組みが確立されてきたからです。また、社会関連事業に使途を絞ったソーシャル債と、環境と社会関連どちらにも活用できるサステナビリティー債が、発行されるようにもなりました。
みずほ証券によれば、2021年10月中旬までのESG債の発行額は、約1500億ドル(約17兆円)となり、前年比7割を超えており、環境債だけでも700億ドルに上っています。
この動きは、特に、ESGへの関心が高いヨーロッパで拡大しています。
英国では今年9月に、初めて環境債100億ポンド(約1.6兆円)を調達し、10月に2度目の起債を行って、国債発行額の1割を環境債が占めています。
また、欧州連合も、10月に初の環境債を120億ユーロ(約1.6兆円)発行しました。新型コロナからの復興基金として、2026年までに全体の3割に当たる2500億ユーロを、環境債で調達する予定です。
市場関係者の間では、将来的には環境債などのESG国債が、“主役”になると見られています。
現在、ESG債は物珍しさもあり、通常の国債より、低い金利(高い価格)で取引されていますが、今後主流がESG債になった場合には、環境や社会貢献に関連しない非ESG債については、ディスカウントされることも十分に考えられます。
私たちの「資産運用(資産形成)」の分野においても、存在感が高まることとなりそうです。