さて今回は、“学生ローン ”について少し考えてみましょう。“学生ローン”と書くと、学生向けの消費者金融の話題かと勘違いされそうですが、米国の景気の見通しに関連する話です。米国の大学、大学院の学費が高いのは有名な話です。
もちろん、公立であったり私立であったり、あるいは学部によっても違うため、一概には言えませんが、日本の平均的な“社会人の年収”に近い学費がかかるところもあるようです。学生達が自分の将来の為に大学(院)へ行き、その高額な学費を納める為に、ローンを組むということ自体は、とても立派な話ですが、問題は卒業後です。
卒業後も学生ローンの返済に追われる人達にとって、マイホーム購入など、とてもとても、という影響が出ているからです。米国での住宅関連経済はとても大きな市場です。現在、米国では、ヒラリー・クリントン氏の大統領選挙への挑戦が話題になっていますが、ご主人の
ビル・クリントン氏も大統領に就任した時に、米国経済を立てなおすために腐心したのが、「人々に如何に住宅を買ってもらうか」という点だったそうです。
住宅市場が活況を帯びてくれば、建築業はもちろん、新築の住宅に新しい家具も沢山必要となり、ガレージに見合う車も購入されと、その波及効果は絶大です。米国における住宅市場の経済への貢献度は日本をはるかに上回ります。
社会人になっても学生ローンの支払いで、住宅購入どころではないという現象は、決して学生とその家族だけの問題ではないのです。
ただ、学生ローンを組んででも、これからのグローバル社会で生きぬいていくためには、教育はある意味“必要な投資”と言えます。日本においても、米国をはじめとする海外の大学において、早く荒波にもまれる環境に入れてあげたい、とお考えの方も多いかと思います。ただ、人口ピラミッドを見ると、少子高齢化の波が、いずれ更なる「円安」を引き起こして、留学費用がますます膨らんでしまうかもしれません。
日本では、教育資金を、学資保険などを使って貯めるケースが、圧倒的に多いですが、今の低金利ではほとんど利回りはありません。そこで最近では、投資信託の積み立てや将来を考え、始めから外貨積立の仕組みを利用する方も増えてきました。
将来、お子さんが学生ローン(奨学金)で苦労しないためにも、今のうちから投資信託や外貨積立を利用するのも、有効な「資産運用」の方法と言えます。