こんにちは!
さて前回は、大暴落の歴史と投資家心理を観てきました。
この市場からの様々な情報の中で、大きく心理を揺さぶられる人間が、より合理的にトレーディング(取引)できないかを、追求して生まれてきたのが、コンピュータによるシステムトレードです。
これは、「アルゴリズム取引」とも呼ばれ、コンピュータシステムが、株価や出来高などに応じ、株式売買注文の数量やタイミングを自動的に決めて、注文を繰り返す取引のことです。
現在でも、多くの機関投資家が、発注時に証券会社が提供している複数のアルゴリズムから、自分に合うものを選択して利用しています。
「アルゴリズム取引」は、証券会社独自のノウハウをプログラミングとして盛り込むことで、機関投資家により有利な価格で、約定できるようになっているのが特徴です。
ちなみに、「アルゴリズム取引」とよく似たもので、HFT(ハイ・フリクエンシー・トレーディング)というものもあります。
これは、高頻度取引または、超高速取引と呼ばれています。
HFTを行っている証券会社は、取引所またはそれに隣接した場所に自社の高性能サーバーを設置し、それを介して、自社のコンピュータによって、1秒間に数千回の取引を行っています。
最近では、「機関投資家の大口注文の先回りをして、利益を得ているのでは」という疑念も浮上してきています。
また、コンピュータによるシステムトレードが進む中、大きな問題も生まれています。
それは、一方向に市場が動いたときに、一気に取引が集中するため、市場の“ボラティリティ(価格変動性)”が高まる事です。
これによって、マーケットの暴落や高騰が起こりやすくなっており、市場の乱高下の一つの要因とも考えられているのです。
このような市場環境においては、マーケットの乱高下は、ある意味避けることができない出来事と言えるのです。
そこで、次回は、投資家として、この市場の暴落、乱高下に対して、どういった“心構え”と、“投資ルール”を持ては良いのかについて、考えてみたいと思います。