投資ファンドの“二極化” Ifa Japan

投資ファンドの“二極化”

こんにちは!

さて、世界の投資ファンド業界においては、長引く金利上昇局面の中、全体として資金調達は減少傾向となっています。
ただ、その中にあっても、実績のある大手運用会社には資金が集まっており、ある意味ファンド業界の“二極化”が鮮明となってきました。

運用規模を拡大しているのは、まず欧州では、大手のCVCキャピタル・パートナーズが、今年7月にPE(プライベートエクイティ)ファンドを260億ユーロ(約4兆1000億円)で立ち上げました。前回2020年のファンドが223億ユーロだったため、さらに規模を拡大しました。
CVCは、日本においては、資生堂や家庭教師のトライなどに投資を行っており、主に機関投資家と良好な関係を築いています。

一方、米国においては、ブラックストーンが、主力の不動産ファンドを304億ドル(約4兆5000億円)で立ち上げました。こちらも、前回2019年のファンドが205億ドルだったため、約1.5倍での立ち上げとなりました。

また、クレイトン・ダビリアー&ライスも、235億ドルのPEファンドを立ち上げました。こちらも、前回が160億ドルだったため、1.5倍の規模となっています。

国内においては、アドバンテッジパートナーズが、1300億円のPEファンドを立ち上げています。こちらも、2020年のファンドは850億円規模でした。
今年に入り、大手運用会社は、5割ほど規模を拡大したファンド組成を行っていることがわかります。

このようにみると、かなりの資金が世界中のファンドに集まっているようにも観えますが、ファンド業界全体で観ると、大きく景色が変わってきます。

イギリスの調査会社プレキンによれば、今年前期の資金調達を完了したファンドは、1297本で、前年同月比では、なんと45%も減少しました。

先行き不透明な世界情勢が続く中、主に機関投資家が、流動性の乏しいPEファンドなどへの投資に慎重になっていることが伺えます。

ファンドタイプ別では、金利高の影響を受けやすいベンチャーキャピタル(VC)への影響が大きく、ファンド数は525本と、53%の減少となっています。
また、地域別では、中国の経済情勢や地政学リスクが意識され、アジア向けのファンドは、62%減少の181本と大きく減少しました。

CVCやブラックストーンなど大手の規模拡大で、金額の減少率は本数ほどではありませんが、明らかに“二極化”が進んでいることがわかります。

今後は業界だけでなく、個別運用会社の動向についても、注視する必要がありそうです。

さて今回が、年内最後のブログ記事となります。
今年一年ありがとうございました!
また、来年も有益情報をご提供していけるよう尽力してまいります。
では、良き年をお迎えください!

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