こんにちは!
さて前回は、インフレの“年代別影響”について、取り上げました。
高齢世代になるほど、インフレの生活への影響が大きいものの、その分金融資産の保有比率も高いといった調査結果でした。
ただ、これはあくまで現時点での話であり、「だから、将来にわたって安心」といったことではないということも述べさせていただきました。
というのも、特に若年層の現役世代は、これから様々なスキルや経験によって、収入が伸びていく可能性があります。
インフレ率を上回る賃金の上昇が見込まれれば、生活をしながら、しっかりと「資産形成」に取り組むことができるからです。
一方、年金生活者の場合は、今後インフレが加速していくような局面では、物価上昇ほどには年金額は増えていかないため、資産を切り崩して生活をしていく必要が出てきます。
そして、そこに追い打ちをかけるのが、「人生100年時代」です。
長生きすること自体は、大変喜ばしい事ではありますが、認知症や介護状態で寿命が延びた場合には、その医療や治療にかかる費用は、収入のない家計には大きな負担となって、のしかかってくることになります。
たとえ、今、金融資産があったとしても、その資金で、65歳で引退された後の35年間、“不測の事態”にしっかり備えることができるかどうかが、問題となってくるのです。
従って、いま現在、資産をあまり持っていない若い方が、「資産形成」に取り組むことは、必須ではありますが、実は、60代、場合によっては70代前半の方であっても、私は、「資産形成」は続けるべきだと考えています。
人それぞれ、働き方やライフプランに対する考え方が違うため、一概には言えませんが、働くことに意欲があり、「絶対安心」といった金融資産を保有されていない方は、60代は、少なくとも働きながら、「資産形成」に取り組んだほうがよいでしょう。
実際、私自身、そのことを実践していますし、私の友人や同年代のお客様にも、同じような話をしています。
特に「資産形成(資産運用)」においては、60歳や65歳で運用をストップし、その後資産の切り崩しに入るケースと、70歳までは「資産形成」を続けるのでは、その後の金融資産の残高に大きな差となって表れてきます。
ここでいう「資産形成(資産運用)」とは、何か難しい、特別なことをお勧めしているわけではありません。また、60歳以降の方が、ハイリスクハイリターンな運用をすべきだとは思っていません。
リタイア層でも利用できる「少額投資非課税制度(NISA)」などをフル活用し、「積立投資」でリスクを軽減しながら、淡々と「資産形成」を続ければよいと思います。
具体的な取り組み方法を聞いてみたい方、是非、一度ご相談にいらしてください。ご希望に応じて、具体的な資産形成法なども、お話しさせていただきます。
「資産形成」は、今や特別なものではなく、人生において“取り組まなければならない事”の一つとなりました。
基本的な考え方を理解された上で、じっくり取り組んでいただきたいと思います。