日本の人口推計

こんにちは!
さて、ご存知の方も多いと思いますが、私たちの大切な「公的年金制度」は、将来の人口推計などをもとに、試算・設計されています。

「合計特殊出生率1.60、年間出生数100万人」

これは、1997年に公表された将来推計人口の中位推計で見込まれた昨年(2022年)の日本の状況です。
将来推計人口は、一般的に、高位(高い予想)、中位、低位で示されますが、上記は、当時の中位で推計された人口数値です。

では、実際はどうだったかというと、昨年の出生率1.26人と過去最低となり、また1899年の出生数の統計を取り始めて以来、初めて80万人を割り込みました。

1997年の低位推計は、出生率1.37、出生数85.8万人と推計していたので、この数値をも割り込んだ数値でした。

今まで政府は、重要な政策決定の際に、土台としてきたのが中位推計でした。
その結果、多くの推計では、「出生率が底を打って回復する」と見立ててきましたが、改めて振り返ると、ことごとく甘い読みだったことがわかります。

また、2006年の時には、出生率1.26からやや下降し、時間をかけて緩やかに戻るという厳しいシナリオを立てていながら、これに基づく、“年金制度の抑制”を行いませんでした。本来であれば、年金支給額を物価や賃金の伸びほどには増やさない「マクロ経済スライド」を採用する予定でしたが、国民からの反発を恐れ、踏み込むことをしなかったのです。

さらに、翌2007年2月の社会保障審議会年金部会で、「現時点で、運用利回りなどの前提を変えるべきではない」と意見書が出ていたにもかかわらず、実質運用利回りを2.2%から3.1%に上方修正を行いました。
「年金の制度改正の必要性」を薄めるために、水増ししたとみられています。

このような経緯の中、公的年金の運用は、GPIFが健闘はしているものの、制度の根幹である受給者が増加する一方、保険料を負担する若年層が急激に減少することから、将来の公的年金制度への不安が現実のものとなってきています。

そんな中、今年4月に公表された新しい将来推計人口では、今度は外国人の流入数が大幅に増加すると見込んだ数値が発表されました。
2017年の前回の推計では年7万人でしたが、今回は16万人と倍以上に見込んだ結果、全体の人口減少のスピードは、若干緩和されるようになっています。

ただ、本当に外国人が増加するかどうかはわかりません。コロナのようなことがあれば、訪日外国人は激減します。
また、仮に日本に外国人が来たとしても、国内で出産し、育てていくことができるのか、これは年金だけの問題ではなく、日本の社会全般にかかわる問題です。

来年夏には、年金の財政検証が公表されます。
表向きの数値だけでなく、その中身をよく検証することが重要です。

上述の通り、人口推計は、政府の“希望的観測”を含んだ数字であることは、ご理解いただけたかと思います。
そして、「確実に起こる未来」として、18年後の日本人の成人は80万人を割り込むということです。

従って、今後の政府の施策はともかく、個人レベルにおいては、将来を見据えた“自分年金作り”は、全国民の共通課題だということです。
まずは、来年から始まる「資産所得倍増プラン」を有効活用して、将来に備えて頂きたいと思います。

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