こんにちは!
さて、今回は、私たちの大切な「公的年金」の運用状況について、取り上げたいと思います。
まずは、「2020年度の運用実績」についてです。
先般、公的年金を運用する「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」が、2020年度の運用実績を発表しました。
それによると、昨年の黒字額は、37兆7986億円と、2年ぶりのプラス運用となりました。また、収益率も25.15%と、過去最高となっています。
今年3月末の運用資産残高は、186兆1624億円で、GPIFは世界最大規模の機関投資家と言えます。
市場での運用を開始したのは、2001年度からですが、この20年間の累積収益額は、95兆3363億円にまで拡大しました。
好調だった昨年の運用実績の内訳を観てみると、以下のようになっています。
国内株式 | 14兆6989億円 |
海外株式 | 20兆6658億円 |
外国債券 | 2兆6738億円 |
国内債券 | -2398億円 |
昨年は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、主要各国が大規模な財政出動や金融緩和を行ったため、国内外の株式が大幅に上昇したことが、主要因と見られています。
また、最近の特徴として、世の中の流れを受けて、「ESG(環境・社会・企業統治)投資」を増加させています。
投資額は、前年から9割も増加し、11.8兆円となっています。
もう一つの特徴としては、株式や債券とは違った「オルタナティブ(代替資産)投資」にも、積極的に取り組んでいることが挙げられます。
インフラ設備や不動産からの安定した利用収入が見込める投資も、1.3兆円の時価総額となっています。
基本となる資産構成は、現在、国内外の株式と債券に25%ずつとしており、当面、変更の予定は無いとしていますが、その中にあっても、運用にメリハリを利かせていることがわかります。
では次回は、「2021年度の動向」にフォーカスしたいと思います。