こんにちは!
さて今回は、今年に入り、好調に推移しているヘッジファンドの動向について、取り上げたいと思います。
米国のヘッジファンドリサーチ社によれば、主要ファンドの値動きを示す「HFRI総合指数」が、今年の1-5月で、9.29%上昇し、1996年以来、25年ぶりの高水準となっています。
「HFRI総合指数」は、5月単月でも1.66%上昇し、8カ月連続の上昇です。
要因としては、コロナ禍において、企業の業績に明暗が分かれる「K字型」経済回復のもと、個別銘柄の選別によって、収益を上げる機会が増えていることが挙げられます。
戦略別には、割安株を買って、割高株を売る「ロング・ショート戦略」は、1-3月期6.83%と好調でした。
企業の明暗が大きく分かれる中、ロングにおいても、ショートにおいても、収益を上げることができているようです。
また、企業のM&A時に、株価の“ゆがみ”を利用し、収益を上げる「イベントドリブン戦略」も、同期間7.59%とさらに高い収益を残しています。
特に、イベントドリブンにとっては、この1-3月期の世界のM&Aが、前年同期9割も増加し、1兆3000億ドル(約141兆7000億円)と、過去最大となったのが追い風と言えます。
2008年の金融危機以降、運用が低迷し、ETFのパッシブ運用に、その座を奪われてきたヘッジファンドですが、ここにきて、市場全体の上下動というよりは、経済の「K字回復」を背景に、存在感が増してきました。
久々に春を迎えたヘッジファンド業界ですが、ここからは、同じ運用戦略であったとしても、以前にも増して、“結果”で、明暗が分かれることとなりそうです。
従って、運用戦略だけでなく、ファンドマネージャーの運用手腕に、より注視が必要と言えそうです。