さて、今回のテーマは、「英国のEU離脱」についてです。
2019年3月12日の報道によると、11日に、英国のメイ首相と欧州連合(EU)が、“離脱案の見直し”で合意したとの事です。
このニュースで、英ポンドは急伸しました。
3月8日のNY市場の終値で、1英ポンド=1.3015米ドルが、12日の東京外国為替市場では、1英ポンド=1.3215米ドル近辺で取引されていますので、対米ドルで、約1.5%程度上昇しています。
ただ、日本時間で12日夜に開かれる英国議会で、EUとの合意案が否決されれば、また急落となる可能性が大です。
しかし、長い目でこの話をじっくり考えてみると、どう考えても、英国にプラスの要因があるとは思えません。
あの米国より大きなEU市場から離れて、少なくとも経済面においては、英国に良い事が待っているとは、思えないからです。
しかも英国は、あの経済大国のドイツですら、「マルク」という自国通貨を手放したのに、「ポンド」を手放さずにそのまま受け入れてもらっています。
ロンドンのシティーを訪れると、ニューヨークのウォール街との違いは明らかです。ウォール街には、巨大金融機関を核とするマネー業者しか存在しません。 しかし、あの道の入り組んだシティーの中には、金融機関のほか、海運会社や保険会社、石油会社もあります。
午前中はアジアとビジネスができ、日中は欧州全域をカバーし、午後には巨人ニューヨークを相手にします。唯一、世界中と取引できる市場が、ロンドンのシティーなのです。
シティーだけが英国の浮沈のカギを握っているとは思いませんが、この“ポジション”を捨てて、英国は繁栄を取り戻せるのでしょうか?
この「答え」は、いずれ出ることとなりますが、当面は、市場の変動率は高いまま推移しそうです。バイアスをかけたポジションを持たれている方は、十分注意していただきたいと思います。
ご相談については、直近では、3月15日金曜日の午後が、予約可能となっています↓