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さて、乱高下はありながらも、好調に推移してきた株式市場ですが、その中にあって、特に最近急増しているのが、「ESG(環境・社会・企業統治)投資」です。
中でも、“社会貢献度”をしっかりと評価する「インパクト投資」に注目が集まっています。
インパクト投資とは、ESG投資の一種で、運用会社が、投資先企業の事業において、どの程度「社会貢献」したかを分析して、定期的に公表する投資方法です。当初、流行的にESG投資は広まりましたが、最近では、「実態が伴わない投資」や、「貢献度測定ができない投資」などが、問題視されるようになってきました。
世界銀行グループの国際金融公社(IFC)によれば、民間の資産運用会社などによるインパクト投資の2020年の運用残高は、前年より43%も増加し、5940億ドル(約65兆円)となりました。また、開発金融機関などを含めた広義の運用残高においては、前年比10%増加し、2.3兆ドル(約250兆円)の規模となっています。
同様の傾向は、日本国内でも見られます。
インパクト投資の推進組織であるGSG国内諮問委員会によれば、2020年の国内運用残高は5126億円と、前年比6割も増加しています。
そして運用残高の拡大に伴い、変化も現れ始めています。
当初は社会課題の解決を目指す“慈善投資”の意味合いが強かったESG投資ですが、ここにきて“運用収益”も目指すようになってきたことです。
このように、拡大が続くインパクト投資ですが、ただ、課題がないわけではありません。
それは、「貢献度をどう測定し、開示するか」という点です。現状は、各企業や運用会社に依存しているため、比較をすることが難しい状況となっています。
世界中のインパクト投資を推進する団体などでは、測定方法についての開発を進めているところです。
今後は、インパクト投資を前面に打ち出した大型ファンドも、増えていくのではないかと思われます。