さて、今回は、確定拠出年金の「ポータビリティ」についてです。
この場合の「ポータビリティ」とは、年金資産が「持ち運び可能」なことを意味します。
新型コロナの感染拡大によって、環境が悪くなったため、転職される方の割合は減ったようですが、やはり昔と比べれば、「入社してから、定年まで勤め上げる」という方は、かなり減っていると思われます。
新型コロナ関連だけではなく、様々な理由で、転職をお考えの方は多いと思います。
その際に気になるのが、せっかくコツコツ積んできた「確定拠出年金の資産はどうなるのか!?」という問題でしょう。
話は少しさかのぼりますが、1990年代、米国の株式市場が堅調に推移していた頃、私は、米国の企業型確定拠出年金で、条項の番号から「401k」と呼ばれている制度があることを、初めて知りました。その時に、「株式を購入する資金が安定的に供給されるので、米国の株式は底堅い」といったような説明を耳にしたことがあります。
実際に株式市場をどれくらい下支えしたかは別として、よく理解できなかったのが、その時に聞いた「ポータビリティ」という言葉でした。
一つの会社の年金制度に拠出している人が、転職をしても他の会社にそれを持っていける米国の制度が、自分も米国系の企業にいながら、もう一つピンときませんでした。
今は、この「持ち運べる」という制度の便利さがよくわかります。
転職をしても、転職先の企業に、「企業型確定拠出年金制度」が導入されていれば、そこで続けられますし、残念ながら導入されていなければ、「個人型確定拠出年金(iDeCo)」に、移換することが可能だからです。
「積み立てたお金」は、どこにも行きません。
「積み立てたお金」には、ずっとあなたの“背番号”が付いています。
転職をしても、退職をしても大丈夫です。
但し、途中での引き出しはできませんので、無理のない金額で積み立てするのがポイントです。
せっかく会社に、「企業型確定拠出年金」の制度がありながら、利用されていない方、「確定拠出年金」は持ち運び可能ですので、仮に「転職」が、頭にちらついていても心配ご無用です。
「確定拠出年金」は、様々な税制特典を備えている為、資産形成面においては、“優先順位NO.1”です。
従って、まずは始めることが何より重要です。
企業型、個人型を問わず、「確定拠出年金」については、お気軽にご相談ください。