こんにちは。
さて、今回は、4月10日に米労働省から発表された2025年3月の「消費者物価指数(CPI)」を、確認しておきたいと思います。
結論から申し上げますと、2月までとは変わって、市場予想を下回り、“インフレ圧力の後退”を示唆していました。
3月の総合CPIは、前年同月比2.4%上昇で、市場予想の2.5%上昇を若干下回りました。
前月比では0.1%低下と、こちらも予想の0.1%上昇を下回っています。
これだけ観ると何という事も無いような数字に観えますが、総合CPIが前月比で低下するのは、何と“5年ぶり”のことです。
また、短期的な価格変動が大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIにおいても、前年同月比、前月比共に、市場予想を下回りました。
総じてエネルギーや中古車、航空運賃、自動車保険などの下落の影響が、大きかったようです。
ただ、留意しなければならないのは、この数字は、4月2日の「相互関税」発表前のものだということです。
その後、「相互関税」適用に、90日の猶予期間が設けられましたが、この影響は、今後大きく表れてくることは避けられません。
対中国に至っては、双方が3桁の関税にすると宣言するなど、全く理解不能の状態になっています。
せっかく、エネルギー価格の下落を主要因に、インフレ状況が少し収まりかけてきたところで、「相互関税」でまた白紙に戻ってしまいました。
今後、3か月に渡って、多くの国と、交渉が続くこととなりますが、何とか最低限の水準で収まって、せっかく落ち着きかけた物価動向を、またインフレやスタグフレーションに戻してしまわないことを願うばかりです。
引き続き、今後の市場動向を、注視していきたいと思います。