こんにちは。
さて、今回は先週金曜日に発表された米国の9月の雇用統計を取り上げたいと思います。
結論から申し上げれば、何とか無事に乗り切ったという感じです。
いつも注目される非農業部門の雇用者数は、25.4万人の増加と、市場予想の14~15万人程度を大きく上回りました。また、8月の数字は14.2万から15.9万人増加へ、同じく7月分は8.9万人から14.4万人増加へと、それぞれ上方修正されました。
失業率そのものは4.1%で、こちらは市場予想の4.2%を下回りました。
ここまでの数字を見れば、雇用は懸念されていたほどには冷え込んでおらず、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利引き下げは0.50%ではなく、0.25%に留まるのではという見方が強くなってきました。
それを裏付けるように、米10年物国債の利回りは前日の3.84%から3.97%へ、30年物国債は4.18%から4.25%へとそれぞれ上昇しました。
となると、次に考えられるのは、“株価の下落”です。
ところが、市場はこの結果を、「金利引き下げがやや遠のいたので株安」ではなく、「景気の軟着陸の可能性が高まったので株高」と、受け取ったようです。
NYダウ平均は、前日比341ドル(0.81%)高の42,352ドルへ、ハイテク中心のナスダック指数も219ポイント(1.22%)上げて、18,137へといずれも大きく上昇しました。
また、米国市場の動きに背中を押されて、週明けの東京市場でも、7日前場終了時点では、日経平均が前日比719円高の39,354円と、自民党総裁選後の急落をかなり取り戻すレベルまで戻ってきました。
米国株式市場は、年末までに控える様々な関門の第一段階を、何とか無事に突破しましたが、ここからはさらに高いハードルの連続です。
年内あと2回のFOMC、そして米国時間11月5日の大統領選挙、国連はもちろん、米国の要請にも全く聞く耳を持たないイスラエル、そしてイランの動き、ロシア領内一部占領を確定しておきたいウクライナなど、問題は山積しています。
目先のハードルは超えたものの、油断することなく、引き続き市場を注視してまいります。