こんにちは。
さて、今回は、先週の自民党の総裁決定前後での相場について、振り返ってみたいと思います。
大方の予想通り、高市氏、石破氏、小泉氏の争いとなり、その中では、高市氏と石破氏が票を伸ばし、決選投票となりました。
東京株式市場は、決戦投票の結果が出る前の15時で閉まってしまいますので、最初の投票の様子から、「高市氏の勝利間違いなし」という事で、日経平均は、前日比903円(2.32%)高の39,829円と、40,000円の大台に迫る勢いで引けました。
一方、外国為替市場も同様に、米ドル円は、一時146円台となりました。
ところが、決選投票では、石破氏が勝利し、日銀の利上げの動きに否定的だった高市氏が敗れたことで、それまでのムードが一変、株式の先物市場、ドル円レートはともに、「急落」となりました。
この動きを観て、考えさせられたのは、こういう「投票の結果が読めない」と言うのも、すべてが悪いわけではないという事でした。
もちろん株式相場が下落したり、米ドル円のレートが急落したりするのは、運用面で考えれば、好ましい現象ではありません。
ただ、日本もやっと派閥の解消が一歩進み、選挙をやる前から「次の人」がすでに決まっているような政治から、半歩だけ前に進んだような気がします。
外為のディーリングには長くかかわってきましたが、日本の総理大臣の決定が、ここまで市場を振り回すという局面はあまり記憶にありません。
従来は、派閥の力関係で、ほぼ密室で、事前に決定していたような印象があるからです。
日本時間10月1日午前10時現在では、市場も冷静さを取り戻しつつあり、日経平均は38,500円台まで回復しています。米ドル円は、144円を少し割り込んだ程度です。
今後も、また日本の政治のトップを決める時には、様々な思惑が交錯することとなると思いますが、本当に国民の為には何が良いのかを考え、実行能力のある人が最終的に勝利するというような戦いを、理想論ではありますが、期待したいと思います。