明けましておめでとうございます!
本年も宜しくお願い致します。
さて、昨年末、QUICK主催の資産運用討論会『ファンドラップの台頭と資産管理型営業の実践』を聴講する機会がありました。
その中で、金融庁の政策立案総括審議官より、「資産運用業の高度化に向けて」のお話がありましたので、その内容をご紹介したいと思います。
セミナーの中では、金融庁として、「資産運用業の高度化」と「顧客本位の業務運営の推進」について、言及がありました。
1.「資産運用業の高度化」
この中では、“ファンドラップの運用コストが高い”といった内容に加え、アクティブ運用のファンドについてのお話がありました。
これは、アクティブ運用の方針を掲げた投資信託であっても、実際にはインデックス運用とほとんど変わらない結果しか、残せていないファンドが多く存在しているという指摘です。
また、アクティブでの割合が低いにもかかわらず、「信託報酬が高く、シャープレシオが低いファンドも散見される」というデータも掲載されています。従って、顧客に誤解を与えないような説明と、適切な信託報酬の設定などの必要性について指摘をされています。
さらに取りあげられていたのは、“一物多価”についてです。
ここでいう“一物多価”とは、同一ベンチマークに連動するインデックスファンドのうち、同一運用会社で、販売チャネルが同じものの中でも、信託報酬の“バラツキ”がみられるということです。
本来、同じ価値のものであれば、すべての顧客に対して、公平に提供されるべきですが、運用会社の個別事情により、コストに差があるものが散見されるとのことです。
運用会社のコストは、投資家(顧客)の利益に直結するため、“適正な設定”を求める内容となっています。
2.「顧客本位の業務運営の推進」
こちらのテーマは、私たち投資助言会社にも、より密接にかかわってくる内容です。
国民の「貯蓄」から「資産形成」への流れを、安定的なものとするためには、“長期・積立・分散投資”といった王道で支援する必要があり、金融商品・サービスを顧客の立場に立って、取り組んでいく必要性が述べられています。
このことを実現するために、金融庁では、2017年3月に、「顧客本位の業務運営に関する原則」を策定し、さらにその「原則」を採択した金融事業者に対し、“見える化”を促進してきました。
その具体的な中身として、
「顧客の最善の利益の追求」
「利益相反の適切な管理」
「手数料等の明確化」
「重要な情報のわかりやすい提供」
「顧客にふさわしいサービスの提供」
「従業員に対する適切な動機付けの枠組み」
などが挙げられています。
現在、「原則」を採択した金融事業者は、2000社を超えました。
一方、「採択」が目的化し、実効的な取り組みが伴っていない金融機関もあると指摘されています。
そして、“見える化”から見えてきた「顧客本位」の課題として、
(1) | “見える化”の最終的な相手は、利用者であること |
(2) | 金融庁のHPに掲載をもって「お墨付き」ではないこと |
(3) | 原則に沿った取組方針と取組状況が重要であるということ |
が指摘されています。
そしてこれらの観点から、
PLAN(基本方針・具体策の策定)→DO(現場での実践)→CHECK(社内での振り返り)→ACTION(取組状況の整理と次の具体策の策定)
といったサイクルを回すことによる業務運営の重要性について、述べられています。
ちなみに、当社においては、2018年12月に「お客様本位の業務運営を行うための方針」を制定し、その後、適宜内容の見直しを行っています。
以下のHPに公開しておりますので、宜しければご覧ください↓
https://www.ifa-japan.co.jp/about/fiduciary/
また、当社では、これらの原則を含め、法令遵守を徹底するため、毎月、全スタッフ参加にて「コンプライアンス会議」を開催しています。
私たちの投資助言業務の目的は、お客様からご依頼いただいた運用目標に応じて、成績を残していくことではありますが、やはりその業務遂行の根底には、しっかりとした「経営理念」と「運営方針」が重要であると考えています。
私たちはお金を集めて運用する会社や、金融商品を販売する会社ではありません。
従って、お客様にとって最も運用収益が確保される方法として、運用成績の比較はもとより、コスト面でも効率的な金融商品を選別し、投資助言を行っています。
これからも、「お客様の最善の利益」を追求し、お客様サイドに立って、業務に邁進してまいります。
新年にあたり、金融庁の方針と共に、改めて当社の経営方針等をお伝えさせていただきました。