こんにちは。
今回は、外国為替市場における“円安”について、考えてみたいと思います。
先週は、米国の消費者物価指数が発表され、株式市場は、急落、急騰を繰り返し、10月13日の発表当日のNYダウ平均は、安値から高値までの変動幅が何と1,500ドル以上にもなるという、まさに大乱高下を演じました。
そんな株式相場を横目で見ながら、ジリジリと米ドルが上昇しているのが、外国為替市場です。
いつも申し上げておりますように、外国為替市場は、株式のように証券取引所で集中して売買が行われることがありません。従って、株式や債券の市場よりは、誰が売っているのか、誰が買っているのかという対象がわかりにくくなります。
今回のドル高も、米国が日本より金利が高いために、ドル高が進んでいるという説明が一般的です。それ以外にも、元々コロナで、物流に支障をきたし、物の値段が上がりかけていたところへ、ロシアのウクライナ侵攻が、原油価格、穀物、肥料などの価格高騰に拍車をかけた面は否めません。こういったもののほとんどすべてを輸入に頼っている日本では、貿易の赤字が進みます。当然これは、「円安要因」です。
また上述のように、「金利の安い円を借りてこれを売り、金利の高いドルを買って運用すれば儲かる」といったような資本取引も当然起きるでしょう。
ただ、現在の日米の金利差や貿易収支、経常収支などを考慮して、120円が適正なのか、150円が適正なのか、あるいはそれ以上であるべきなのかは、誰にもわかりません。みな“手探り状態”です。
一つだけはっきりしていることは、金融機関の為替ディーラーやヘッジファンドで為替を扱うファンドマネージャーにとっては、“千載一遇”のチャンスだという事です。ドル円は100円から120円の間で、長い間おとなしい動きをしてきました。現在のように、ドル高方向に突き抜けたのは、本当に久しぶりです。
このようなせっかくの機会(チャンス)を、投機筋が、一度や二度の介入であきらめるはずもありません。「あまりのドル急落に、もうドルを買うのはこりごりだ。」という目に合うまでは、落ちたらドル買い、介入後に落ちたらまたドル買いと、これでもかというくらい、しつこくドルを買ってくるはずです。
来年、日銀総裁の任期がきた後に、政策変更によりドル高に終止符が打たれるのか、今後の強力な介入でドル高が止まるのか、何がきっかけになるかはわかりませんが、もう少しドル高局面での攻防が続きそうです。
為替同様、株式市場も相変わらず変動率の高い相場が続いています。
目先の一喜一憂は、投機的なファンドマネージャーに任せて、まずは、無理のない範囲で、積立方式で、乱高下を逆手にとって、利用させてもらいましょう。
取り組み方がよくお分かりにならない方は、ご遠慮なくご相談ください。