さて、今回は、先週の米国雇用統計に続いて、10日に米国労働省から発表された「1月の消費者物価指数(CPI)」についてです。
1月の米国の消費者物価指数は、前年同月比で7.5%も上昇しました。もちろん、これまでも物価上昇は指摘されてきましたが、12月の7.0%上昇から伸び率が更に加速しています。
エコノミストの予想である7.3%という数字も超えています。ただでさえ、物価の上昇が続いている中、ここにきての原油価格の高騰が追い打ちをかけたようです。
ご存じの方も多いと思いますが、物価の比較では、短期的な変動が大きい食品やエネルギーを除いた「コア指数」も発表されます。この数字でも、前年同月比6%もの上昇と発表されましたので、もはや一時的な現象とは言い難いものとなってきました。
このインパクトは大きく、更なる政策金利引き上げ加速を予想して、10日のNY市場では、ダウ平均が526ドル(約1.47%)も下げ、日本は祝日でしたが、続く11日もダウ平均は503ドル(約1.42%)安と続落しました。
成長期待銘柄の多いナスダック総合指数に至っては、10日に2.10%、11日に2.78%と更に大きく下げています。
日本では、まだここまでの物価上昇に対する切迫感はありませんが、石油をはじめとする資源高や円安による輸入物価の影響を受け始めると、一番大きな影響が出てくるのは住宅ローンと思われます。特に変動金利にされている方は、注意が必要です。
また、大きな住宅ローンを抱えていない方でも、物価の上昇は、“手持ちの現預金が目減り”していくことに注意する必要があります。
バブルが崩壊して、すでに30年以上が経ちます。
今の現役世代で、インフレーションを体験したことがある方は、どんどん少なくなってきています。現預金さえ持っていれば大丈夫という方、ご自分の老後のことも含めて、「資産形成」について考えなおしてみましょう。
インフレを知らない世代の方はもちろん、インフレへの対処方法など忘れてしまった方も、是非今のうちに、ご遠慮なくご相談ください。