こんにちは。
さて、今回は先週5日に発表された3月の「米雇用統計」を取り上げたいと思います。
米雇用統計は、いつも申し上げておりますように、かなり振れ幅の高い指標のため、毎回それなりのインパクトを市場に与えますが、今回は、その中でも、比較的大きな衝撃を与える数字が発表されました。
まず、注目される非農業部門の雇用者数ですが、前月比30.3万人増加し、市場予測の20万人を大きく上回りました。
また、失業率そのものは、3.8%と市場予想通りでしたが、先月の3.9%から若干下落しました。
この数字を観る限り、「依然、労働市場はタイトな状態」という判断になり、米長期金利は、10年物が4.31%から4.40%へと利回りが上昇しました。この高金利下でも、「景気がスローダウンしている兆候は見られない」という反応です。
ところが、株価の反応は、ちょっと違っています。
NYダウ平均は、前日比307ドル上昇し、S&P500種も57ポイント上昇しました。
NYダウ平均は、4月になってから4営業日連続で計1,210ドルも下落したため、その反動という見方もできます。
ただ、単に大幅下落の反動といった側面だけではなく、平均時給の伸び率が前年同月比4.1%の上昇と、前月の4.3%から低下したことも影響していると思われます。
結論的には、6月から始まると見られていた米国の利下げが、「少し後ずれするのでは」という観測が強くなってきたと言えます。
引き続き、重要な経済指標の発表や金融当局の発言は続くため、その度に、相場が反応して“動く”ことが想定されます。
市場の“一喜一憂”を横目に観ながら、この上下動をうまく利用して、中長期での「資産形成」にしっかり取り組んでいただきたいと思います。