こんにちは。
さて、今回は、米労働省が先週9月6日に発表した8月の雇用統計を取り上げたいと思います。
結論から申し上げると、今回の数字は、9月17日・18日の両日に渡って行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)での金利引き下げ幅の予測を、益々難しいものにしました。
いつも注目される非農業部門の雇用者数は、前月から14.2万人の増加(市場予想は16万人程度)となりました。
また、7月の数値は、速報値の11.4万人から8.9万人へ、6月分は同じく17.9万人から11.8万人へとそれぞれ下方修正されました。
今年の前半まででしたら、弱い雇用の数字は、金利引き下げが期待され、株価は上がるというパターンでしたが、8月上旬の株価急落を経験してからは、むしろ弱い雇用の数字は、一段の景気後退の信号という“思惑”で、株価は下落しています。
失業率そのものは、4.2%と市場の予想通りでした。
平均時給は、前月比0.4%上昇(市場予想は0.3%上昇)、前年同月比では3.8%上昇でした。
市場は9月のFOMCで政策金利が引き下げられるのは、ほぼ確実とみており、今回の失業率を含むインフレ関連の経済指標によって、0.25%か、あるいは0.5%となるのかを見極めようとしています。
その第一弾の雇用統計は、予想よりやや弱め程度だったため、今のところはまだ0.25%の利下げに留まるとの見方が優勢です。
引き続き、各種統計結果などで、市場が乱高下する相場が続いています。
個人投資家としては、毎回の指標に一喜一憂することなく、積立手法を用いた「時間分散」を利用され、淡々と「資産形成」に取り組んでいただくのがよろしいかと思います。