こんにちは。
さて、今回は、先週7日に米労働省から発表された2025年1月の雇用統計を、確認しておきたいと思います。
結論から申し上げますと、概ね市場の“予想範囲内”だったと言えます。
毎回注目される非農業部門の雇用者数は、前月より14.3万人の増加と発表され、17~18万人程度と見込んでいた市場の予想を下回りました。
ちなみに、11月は21.2万人から26.1万人増へ、12月は25.6万人から30.7万人増へと、それぞれ上方修正されています。
1月に雇用された人の数だけを観ると、予想を下回ったという事になりますが、失業率そのものは4.0%で、前月から横ばいの4.1%としていた市場予想よりは良い数字でした。また、上述の通り、過去の数字は上方修正されています。
また平均時給も、前月比0.5%上昇と、こちらも市場予想の0.3%を上回っています。
総合的に観れば、「雇用状況はそれほど悪化していない」ということで、市場は、様子見体制に入っている米連邦準備制度理事会(FRB)の判断が正しいと認識しています。
そのため、3月あるいは6月に米国の政策金利が引き下げられると予想する向きは、ほとんどいなくなりました。
ただ、最も先行き不透明要因は、トランプ大統領です。
不法移民の強制送還が始まり、テロリストを収容するための悪評高きグアンタナモ収容所を、不法移民用に使うという話も聞こえてきます。
ここまでの動きがある種のポーズなのか、それとも本気でこれからも不法移民に対する徹底した施策が続くのか、予断を許しません。
単に、数字が良かったから金利は下がらないとか、金利が下がりそうで株価にも好影響がなどといった話とは、全く次元の違った要因が潜んでいます。
今まで以上に、市場の注視が必要と言えそうです。