さて、今回は、本年最後のFOMCを終えて、「かなりタカっぽい顔を見せたFRB」についてです。
ちなみに、景気安定よりも物価上昇の抑制を優先するのがタカ派、物価上昇を警戒しつつ、景気に十分配慮するのがハト派です。
12月14,15日に、本年最後のFOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれました。その結果、FRB(米連邦準備制度理事会)は、テーパリングの加速を決定しました。
当初は、米国の中央銀行であるFRBが、市中から毎月1,200億ドル(約13兆6,200億円)、米国債などを買い付けていたものを、11月から毎月150億ドル減らして、2022年6月で終了するという計画でした。
それを今回、来年1月から毎月300億ドルずつ減額して、3月で終了するという決定がされたのです。
FRBのスタンスが、かなり“ハト”から、“タカ”に近くなってきたようにも観えます。
いつも申し上げておりますが、6月で終了しようが、3月で終了しようが、「テーパリング(量的金融緩和縮小)」が、前倒しされたからというだけでは、市場は騒ぎません。
しかし問題は、その後に待ち構える「政策金利の引き上げ」が、いつ、どれくらいのペースで引き上げられるかという点です。
今回のFOMC参加者のそれぞれの経済・政策見通しによると、来年中に合計3回政策金利の引き上げがあるというのが、中央値となっています。
つまり、相当“インフレ圧力”を、感じているものと考えられます。
実際には、その時点における「新型コロナの感染状況」、「実体経済」、「雇用環境」など、様々な要因を分析した上での決定となりますので、政策金利が本当に3回引き上げられるかどうかはわかりません。
ただ、米国金融政策の中心にいるメンバーが、インフレに対して“強い警戒感”を持っている事は、はっきりしています。
実際に金利が引き上げられるまでには、まだ時間はあります。
今のうちにご自身の「ポートフォリオ」が、金利の上昇局面で、柔軟に対応できるようになっているのか、是非、点検は済ませておきましょう。
点検方法など、よくお分かりにならない方は、お気軽にご相談ください。