さて今回は、改めて、「NISA」と「つみたてNISA」について、考えてみたいと思います。
こちらは、投資の税制優遇ですので、前回ご説明した 「iDeCo(個人型確定拠出年金)」のような国の年金制度とは違います。
では、「NISA」と「つみたてNISA」は、どのような特徴があるのでしょうか。
まず、投資した金融商品の売却益に、課税されないというのが共通点です。
ただ、異なる点もいくつかあります。
NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
投資できる商品 | 株式・投信等多数 | 限られた投信のみ |
期間 | 5年(最大10年) | 20年 |
1年間の投資上限額 | 120万円 | 40万円 |
上記のように、最大の違いは何と言っても、選択できる商品の数と上限金額です。
いずれを選択されるかは、皆さんの「投資目的」によります。
例えば、小さいお子様の将来の学資用にという事でしたら、長い間運用できる「つみたてNISA」の方が向いているかもしれません。逆に、現在、資金的には余裕があって、年間40万円よりも大きな金額を運用することが可能でしたら、NISAで120万円の上限をフル活用したほうが、効率的に「資産形成」に取り組むことができます。
また、投資できる商品の選択肢にも、差があります。
あまり投資経験のない方で、選択に迷うようでしたら、投信約200本以下に絞られている「つみたてNISA」の方が選びやすいかもしれません。
また、投資経験があって、幅広い投信の銘柄だけでなく、株式にも投資したいという方は、「NISA」口座を用いることとなります。
なお、両者に共通したデメリット(留意点)についても、確認しておきましょう。NISA口座は、非課税のメリットがある反面、通常、皆様が証券会社で利用される一般口座や特定口座との“損益通算”をすることができません。つまり、NISA口座が仮にマイナスとなっても、特定口座の利益と相殺することができないという事です。
従って、NISA口座は、頻繁に売買を繰り返すというよりは、積立手法などをうまく用いて、じっくり利益を蓄えながら、「資産を大きくしていく」目的で活用されると良いでしょう。
以上、本日は概略だけご説明しましたが、具体的な資金の運用方法や商品選択などについて、もう少し詳しい話をお聞きになりたい方は、お気軽にご相談ください。