オフショア金融システムとは

当社では、1997年から「国際分散投資」や「海外ファンド」を用いた資産運用に取り組んできましたが、 ここ数年、長引く“円”の低金利の影響もあり、外貨建て商品への投資が急増してきています。

そのような中、海外へ直接投資をされる方も着実に増えてきており、最近では「オフショア」や「タックスヘイブン」と言う言葉もあちこちで聞かれるようになってきました。しかしながら、それらの情報は非常に断片的なものであり、また必要以上にネガティブな情報や、逆に射幸心を煽るような情報も散見されます。

従ってここでは、正しい「オフショア金融システム」の基本的な概念をお伝えしたいと思います。

オフショアとは、辞書で引くと「海岸線の外側」というような意味が書いてあります。

金融の世界においては、規制が非常に少なく、「国外からの所得」に対して所得税や法人税が安いか、まったくかからない「国」や自治権を持った「地域」の金融マーケットを指し、 タックスヘイブン型といわれるものがその代表的なものです。

具体的には(表1)を見ていただくと、その大半は観光や鉱物をはじめとする自然資源に収入を頼っている国や地域が多いと言えます。 従って、これらの国が生き残る手段の一つとして編み出されたのが、オフショア金融システムの一つの側面といえます。

これらの国や地域においては、国外からの収入(例えば配当や有価証券売却益など)に、 課税しないまたは低税率になっている国が多く、その意味で、タックスヘイブン(租税回避地)と言われているのです。

表1 オフショア諸国の一例

アジア・太平洋ヨーロッパ・地中海カリブ海・大西洋
香港、マカオ、ソロモン、バヌアツ 他ガンジー島、ジャージー島、 マン島、スイス、ルクセンブルグ、 モナコ、リヒテンシュタイン 他ケイマン島、バハマ、ヴァージン諸島、パナマ、バミューダ 他

さて、オフショアを活用する目的ですが、もし皆さんの中で「マネーロンダリング」や「脱税」をイメージされるとしたら、その行為はまさに大きなリスクを背負った誤った考えであると言わざるを得ません。

現在、OECD加盟諸国をはじめとする先進国では、このような目的の排除に躍起になっています。特にアメリカのテロ以降はその傾向が一段と強くなっていると言えるでしょう。

現実にこの流れを受けて、個人投資家が海外で銀行口座を開こうとしても、本人確認が非常に厳しくなっています。従って、「マネーロンダリング」のような利用方法は、ここでは対象としていません。

そして、本来的なオフショアを活用する目的(メリット)としては、以下の4つを挙げることが出来ます。

  1. プライバシーの保護
  2. 財産保全
  3. 節税対策
  4. 国際分散投資


1 - プライバシーの保護
プライバシーの保護とは、本来その本人が人に知られたくないと思ったことや本人の胸の中だけにしまっておきたいと思っている気持ちを守ってくれることをいいます。従って、その相手がたとえ国や親族、配偶者、取引先と誰であったとしても自分自身のプライバシーを守ってくれると言うことです。

特に金融の世界で言えば、日本国内の金融機関で“あなたの財産”のプライバシーを守ってくれるところ、または守っておけるところがどこかあるでしょうか!? 但し、神話のように言われている「スイスのプライベートバンクなら安心」といった「スパイ映画」に出てくるようなことは、現実には今はありません。やはり、明らかに犯罪資金と思われるようなお金の情報は、開示されています。

従って、上記でいう“プライバシーの保護”とは、あくまで合法的な財産についてと考えていただきたいと思います。


2 - 財産保全(トラストの活用)
ある一定以上の資産家で、資産を後世にきちんと残しておきたいと思うなら、このトラストの活用は大変効果的であるといえまず。トラストとは、日本語にすると「信託」と訳されます。

相続の際に自分の財産を自分の残したい人のために(遺留分も関係なく)、税金を回避しながら資産承継する“インターナショナルスタンダード”な手段と言えます。中世の時代からヨーロッパの貴族やアメリカの大富豪が代々資産を継承することができたのも、このトラストの仕組みがあったからに他ならないといえるでしょう。


3 - 節税(タックスヘイブン)
オフショア活用の目的の中で、一番投資家が関心をもっているのは、この節税といえるかもしれません。ただし、言うまでもありませんが、日本の居住者は、たとえ海外での所得が現地で課税されなかったとしても、日本国内では申告義務があります。

従って、本腰を入れてオフショアを活用するとなると、PT(パーマネントトラベラー)として非居住者になるか、オフショアに法人を設立するなどの方法を考える必要があります。ただし、ここで留意しなければならないことは、現地法人に安易に「内部留保」できないようにするために、日本には「タックスヘイブン対策税制」という法律があることです。簡単に言うと、日本国内の個人・法人が実質上所有する海外企業においては、その地域の法人税が著しく低いか無税の地域については、 その留保された利益に対して国内において“みなし課税”をするというものです。

従って、この法律の適用を回避する方法をきちんと考えた上で、法人の活用を考える必要があるといえます。いずれにしてもオフショアの節税とは、日本で発生した所得を隠すのではなく、所得の源泉を海外に移し、その後発生する利益に対して、合法的に留保しようと言うことが主眼となります。


4 - 国際分散投資
オフショアの活用の中において、個人的にメリットがあると思っているのは、実はこの国際分散投資です。なぜなら、お金の運用はうまいところに任せた方が、資産が増えるからです。税金は利益の全部を持っていくわけではありません。

従って、今の日本国内で0.1%程度の運用と、オフショア金融商品で7%で運用するのでは、税金を払ったとしても、運用利回りが高いほど“手取り”は増えるわけです。 ちなみに皆さんは、0.1%で100万円を運用した場合、元本が倍(200万円)になるのに何年ぐらいかかるかご存知でしょうか?
答えは、約720年後となります。

それに対し、もし7%で運用できれば約10年強で資産は倍になるのです。


表2 運用利回りと期間
100万円が倍になるのは何年後?(複利)

利回り必要期間
0.01%約7200年
0.5%約144年
7.0%約10年

オフショア活用の実際

上記のように、「オフショア地域やオフショアファンド」を活用するメリットはある程度ご理解いただけたかと思いますが、 では具体的にどのように投資を行えば良いのかが、最大の関心事ではないかと思います。
そこで、当社では、具体的に「どのように投資を行ったらよいのか?」について、動画をご用意致しました。
ご興味がある方、是非、以下のリンク先より動画をご視聴ください。

 

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