こんにちは!
さて前回は、市場の乱高下の要因となっているコンピュータによるシステムトレードについて、観てきました。
今回は、投資家にとって、最も重要と言えるこのような市場の乱高下に対して、「どのような心構えと、投資ルールを持てばよいのか」について、考えてみたいと思います。
現在、個人のトレーディングシステムも、かなりのハイスペックとなっていますが、前述したHFTには到底太刀打ちできるものではありません。
従って、個人が行うシステムトレードにも、限界があるのが現実です。
私も、昔は、ディトレードで、株式や商品先物などを行っていた時期がありましたが、“淡い成功”も“苦い失敗”も経験しました。
この時に、私が感じたことは、「この方法では、中長期的に資産形成はできない」ということでした。
それ以降、自分で相場を観ながらトレーディングする方法は、一切行わないこととしました。
その代わりに、資産運用に取り組むにあたって、“心構え”を明確にしました。
「運用目的」や「運用期間」、「利用する金融商品」、その「方法」や「頻度」などを明確にするとともに、“自分なりの投資ルール”も決めました。
私自身が、ファイナンシャルプランナーの資格取得をしたのも、ちょうどその頃でした。
当社のお客様の大半は、国内外の投資信託で運用をされていますが、まさに、私が取り組んだのもその方法でした。
逆に言えば、そこでそれ相応の成果が得られたため、「他の人の資産形成のお役に立てるのでは」との“想い”から、投資助言業を始めたとも言えます。
その当時、私が具体的に決めたことは、
運用目的・期間 | → | 自分の老後(当時30年後)のための資産形成 |
利用する商品 | → | 自分でトレードせず、プロに運用を託す投資信託を活用 |
方法 | → | アセットアロケーションを基に「ポートフォリオ」で運用 |
頻度 | → | 一時金運用に加え、積立投資も併用 ※積立部分は、価格変動の大きい株式の割合を増やす |
自分のルール | → | 運用期間は最低5年から10年を見据えて考える 短期的な相場の変動は気にせず、 テクニカル的には、 ロスカットルールを採用する ※最大のマイナスを管理する |
といったような考えで、資産運用に臨みました。
特にメンタル面で重要なのは、「運用目的」や「運用期間」をしっかりと、イメージしておくことです。
10年、20年といった運用期間をイメージされるのであれば、今回のような短期的な相場変動があっても、一時的なものと受け止めることもしやすくなります。
もっと言えば、「10年後のために、今、どう対応しておくのが良いのか」といった考え方をすることができます。
あとは、やはり偏った金融商品での運用を避けるために、「アセットアロケーション」は非常に重要だと思います。
その中でも、最も私自身の運用で成功できた要因は、「積立投資」を多用したことです。
いつもセミナーなどでもお伝えしていますが、これまで10種類以上の様々な積立投資を行ってきましたが、今まで、「積立」で、マイナスになったことは、一度もありません。
やはり、“ドルコスト平均法”を正しく理解し、「積立投資」を併用することは、強くお勧めします。
投資ルールについては、当時、自分の運用においては、「10%下がったら売る」と単純に決めていました。
そうすれば、どんな投資でも、“最大損失は10%”で防げるからです。
ただそのためには、重要なことがあります。
それは、「流動性」を確保しておくことです。
自分自身、リーマンショックの時には、流動性の低いヘッジファンドを売ることができず、下落幅が大きくなった経験があります。
現在、当社の「ポートフォリオ」においては、このことを教訓として、“流動性の確保”には常に留意して、ファンド選定を行っています。
また、「ETF」を用いたテクニカルな運用については、明確な投資ルール(シグナル売買)などを採用しています。
さて、今回は、「資産形成」にあたって、投資家としての“心構えや投資ルール”について観てきましたが、次回は、では実際に、「相場の下落時、どういう対応が結果として良かったのか」について、お伝えしたいと思います。