さて、今日の数字は、日頃、目にすることがないほど、大きな数字です。
世界中でコロナの感染が続く中、株式市場だけは、堅調に推移しています。
世界の株式時価総額が、8月末の時点で、89兆ドル(約9400兆円)となり、月末ベースでは、昨年12月以来、8か月ぶりに過去最高を更新しました。
世界の時価総額は、コロナの感染が拡大した今年1-3月期には、約20兆ドルも減少しました。
ただ、その後の各国政府の財政拡大、中央銀行による金融緩和に支えられ、“V字回復”を果たした格好です。
とはいえ、その中身を観ると、かなりの偏りがあることがわかります。
自動車をはじめとする大型株、景気敏感株が多い日本では、昨年末比で、いまだ4%減の6.1兆ドルにとどまっています。
同じく、エネルギー産業、金融機関、観光産業を主とする欧州各国も、ピーク時に届かず、伸び悩んでいます。
そんな中、大きく時価総額を伸ばしているのが、「米国」です。
8月末の時価総額は、37兆ドルとなり、世界全体の42%をも占めています。
10年前には、30%程度のシェアだったため、より“米国株偏重”が進んでいることがわかります。
そして、もう一か国、早期回復している国があります。
それが、「中国」です。
8月末に時価総額は、8.7兆ドルとなり、昨年末より4割も増加しました。
IT関連企業のIPO(新規株式公開)が、大きくけん引しています。
このように、株式時価総額からみると、中国が急激に存在感を高めているため、米国が貿易戦争をはじめ、目の敵にしている点も頷けるところです。
そんな中、好調に推移している米国株式ですが、株価が1株利益の何倍まで買われているかを示す「PER(株価収益率)」でみると、従来の平均値16-18倍を大きく超えて、現在は23倍にまで高まってきました。
今後、実体経済の回復が難しい状況が続くと、株価が下落に転じる場面も十分に想定されます。
現在は、“業績”と“株価”が大きく乖離しているある意味珍しい相場だからです。
従って、このような状況下では、「乱高下を想定した運用プラン」が必要と言えます。
「プラン構築」はもとより、「プランの見直し」を、今のうちにされておいては、いかがでしょうか!?