こんにちは!
さて今回は、日本の個人投資家が、どのようなアセットアロケーション(資産配分)で、投資を行っているのか、取り上げてみたいと思います。
今年の特徴として挙げられるのは、ズバリ、“海外の株式投信への投資拡大”です。
日興リサーチセンターの調査によれば、今年の1月から8月にかけて、グローバル株式投信への資金流入が、約1兆6千億円にまで、膨らんでいることがわかりました。
ちなみに、前年同期は、約400億円の資金流出だったため、一気に海外へ資金が向かったことがわかります。
一方、国内の株式投信は、前年同期は約2200億円の流出だったものが、今年は約5400億円と、さらに資金流出額が拡大しました。
昔から、私も指摘してきましたが、もともと、日本の個人投資家は、自国市場での資産運用が中心となるいわゆる「ホームカントリーバイアス」が、特に強い傾向がありました。
実際に、15年前の日本の公募投信に占める外国株投信の割合は、1割にも満たないものでした。
そのような状況下、巷の金融機関やFPの間では、「国内外の株式と債券に、25%ずつの分散投資が望ましい」といったことが、長年言われてきました。
ただ、市場規模から観ると、「日本株式25%、日本債券25%」も、割合が多いと、個人的には考えていました。
その意味では、当時に比べ、大きく様変わりしたと言えます。
では、実際に、今年8月末時点の公募投信の「アセットアロケーション(資産別構成比)」を、観てみましょう。
国内株式 | 12.7% |
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国内債券 | 4.7% |
海外株式 | 22.4% |
海外債券 | 17.6% |
その他 | 30.6% |
国内への配分比率は、株と債券を合わせても、合計17.4%となっています。
また、株式の国内外の比率は、海外株式63.8%:国内株式36.2%となり、いまや、「ホームカントリーバイアス」の面影は、なくなりました。
あとは、この資産配分に応じて、いかに、適切な投信を選別し、「ポートフォリオ」を構築するかが、ポイントとなります。
国内外の投資信託を用いた「中長期運用」が、さらに根付くことを期待したいと思います。