こんにちは!
さて今回は、久しぶりにヘッジファンドを取り上げてみたいと思います。
当ファンドは、もともとは、様々な運用戦略を組み合わせた「マルチ戦略」のファンドでした。
それを2020年から、「イベントドリブン戦略」に特化したスタイルに変更した変わった経歴を持つファンドです。
直近、当ファンドのファンドマネージャーがスイスから来日し、当社のアドバイザーとミーティングを持つ機会があったため、今回は、その情報をお伝えしたいと思います。
運用をしているのは、スイスに拠点を置くブティック系ファンド会社です。
当ファンドの運用戦略「イベントドリブン」とは、個別企業の重要な出来事を利用して収益を得る投資戦略です。
具体的には企業のM&Aや業務提携、リストラやスピンオフなどのコーポレートイベントが発生した時に生じる市場の「価格の歪み」を投資機会として、その“歪み”が解消されるプロセスで、収益を狙うといった戦略です。
2020年4月以降の運用実績を観てみると、以下のようになっています。
2020年4月から | 8.68% |
2021年 | -3.49% |
2022年 | 20.49% |
2023年8月現在 | -0.84% |
年間平均収益率 | 6.83% |
標準偏差 | 18.37% |
株式との低い相関関係が特徴で、昨年株式市場が苦戦する中、20%台の収益を上げることができました。
また、年間平均収益率、標準偏差も、昨年から大きく改善されています。
ファンドの「ポートフォリオ」としては、現在、株式はロング(買い)とショート(売り)のポジションを、債券はロング・ポジションで運用を行っています。
保有セクター(投資先)のトップ5の内訳は、以下のようになっています。
エネルギー | 33.21% |
通信 | 10.81% |
金融 | 6.28% |
工業 | 5.94% |
政府系 | 3.48% |
その他ファンド概要は、以下をご覧ください。
ファンド形態 | ヘッジファンド(ファンドオブファンズ) |
ファンド戦略 | イベントドリブン戦略 |
投資通貨 | 米ドル、ユーロ、スイスフラン |
購入手数料 | なし |
解約手数料 | なし |
マネジメントフィー | 1.50% |
パフォーマンスフィー | 15%(ハイウォーターマーク方式) |
取引頻度 | 月1回(30日前解約通知有り) |
当ファンドは、イベントドリブン戦略のみに投資するという集中リスクに加え、ヘッジファンド特有の信用リスクや換金性などもあり、なかなか「ポートフォリオ」への採用は難しいと、社内的には考えていました。
今回、この点をポートフォリオ・マネージャーに伝えたところ、当ファンドと別のヘッジファンド(株式ロング・ショート戦略)を50:50の比率で採用した“新たなファンド”を近々設立する予定であるとの情報を得ることができました。
株式ロング・ショートのヘッジファンドは10年以上の実績があり、組み合わせた相性も良いとのことです。
実際に、各ファンドの実績からとったバックテストを観たところ、過去12年でマイナスの年は1回だけでした。
現時点では、当ファンドについては、引き続き情報収集を行っているため、また改めて詳細な内容をお伝えしたいと思います。
なお、本日ご紹介したファンドを含め、新ファンドについてのご質問や情報をご希望される場合は、「2023-11ヘッジファンド情報」と記入いただき、以下のフォームより、お問合せください。
ご参考としてください。