イベント・ドリブン戦略とその特徴 Ifa Japan

イベント・ドリブン戦略とその特徴

こんにちは!

さて今回は、世界的に景気悪化が懸念される中、今年実績を上げているヘッジファンド手法である「イベント・ドリブン戦略」を取り上げてみたいと思います。

  1. イベント・ドリブン戦略とは

ここでいう「イベント」とは、様々なマーケットで起こる出来事のことで、具体的には企業の買収や合併(M&A)、分割といったようなことを指しています。
そのようなマーケットの出来事をうまく活用しながら収益を狙うのが、“イベント・ドリブン戦略”です。

では、具体的な例で、観ていきましょう。たとえば、A社とB社が合併を発表したとします。
その時の株価はそれぞれ、A社が1株300円、B社が1株200円であったと仮定します。
しかしながら、合併比率の内容は、A社対B社が2対1との発表でした。
従って、現在の株価比率は3対2ですが、マーケットにおいて、2社の株価が2対1の関係になるように動き出します。

言い換えると、株価の現状が3対2で、合併後に2対1になるということは、A社はB社よりも、今の株価は“割安な状態”にあると言えます。逆にB社の株価は“割高な状態”にあるわけです。
従って、A社の株が上がり、B社が下がって、2対1の関係になるように相場が動いていくということが、“想定”されるわけです。

つまり、この場合、割安なA社を買って、割高なB社を売ると言った取引を行います。

このような合併情報などをもとに、取引を行う運用スタイルを「イベント・ドリブン戦略」と呼んでいます。

  1. イベント・ドリブン戦略のリスク

上記のように、マーケットで起こる様々な「イベント」に着目し、運用を行うわけですが、当然、発表後に、合併解消や合併比率の見直しなど様々な変化も起こりえます。
実際に、合併の発表をした2社が、半年後に「合併解消」などといったことは、日常よくある話です。

従って、上記の例においても、一旦はA社とB社の株価が2対1に近づいたとしても、合併解消のニュースとともに、元の水準に戻ると言ったことは十分にありえます。
その場合、買っていたA社の株価が下がり、売っていたB社の株価が上昇するわけですから、ダブルで損失を被ることになるわけです。

その意味においては、“読み”が外れた場合のリスクはある程度高くなることから、一般的に同戦略は、ミドルリスクからハイリスクに近い投資戦略ということができます。

では、次回は、具体的に「イベント・ドリブン戦略ファンド」をご紹介したいと思います。

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