デフレからインフレへ Ifa Japan

デフレからインフレへ

さて、今回は、年明けから大幅に下落している相場、特に「株式相場と今後のインフレ」について考えてみたいと思います。

米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備制度理事会)が、「インフレーションは通貨安定の最大の敵である」という目標設定に戻りつつあるようです。

米国に限らず、中央銀行には、そのような考えが植え付けられています。しかし、過去四半世紀ほどは、デフレーションとの戦いをせざるを得ない状況に追い込まれていました。ところが、ここにきて様々な要因で、特に米国では、インフレに対処するための議論が盛んになっているのです。

2022年における米国の政策金利の引き上げ予想は、当初の年2回から3回が、年5回程度にまで引き上げられ、しかも各回0.25%とは限らず、0.5%という局面があるかもしれないとの予測も出ています。

この影響をまともに受けているのが、株式市場、中でも、新興株や中小型株の中の「グロース」と呼ばれる成長期待の銘柄です。ちなみに、昨年末から、先週1月28日までのNYダウ平均は、4.4%ほどの下落ですが、ITや新興株式が多いナスダック市場は同じ期間に12.0%も下げています。もっとも2021年のダウ平均の上昇幅は18.7%で、ナスダック市場は21.4%も上昇しているため、「山高ければ、谷深し」は致し方ないところです。

特に今までは、政策金利“ゼロ”で、その上、FRBが市場から巨額の債券を買い入れて、市中に大量のマネーをばらまいていたのですから、その反動は大きなものとなります。しかも、今度は政策金利を上げて、その後、いずれは債券を買いすぎて膨れ上がったFRBの資産を減少させるため、市場が弱気になるのも仕方がありません。

ただ、少し長い視点に立って考えれば、過度なインフレを抑えるのはともかく、景気や経済に悪影響を与える金融引き締め策を続ける事は考えにくいため、インフレ率がある程度の範囲に収まってくれば、またそこは“適温相場”になると考えられます。

ではこのような事態を、個人はどう考えればよいのでしょうか。

ニュースで、株式市場の下落が報道されるたびに、「投資などをしていなくて良かった」と思われる方は、よく考えてみてください。

中央銀行がこれから戦おうとしているインフレーションが進行すればするほど、“お金の価値”は下がっていきます。従って、中央銀行もいよいよデフレからインフレに対処方法を切り替えようとしているのです。

個人もそれなりに、対処しなくては、デフレのもとでは、価値が目減りしなかった現預金が、インフレが進めば進むほど、“通貨の使用価値”が減じていくことになります。

インフレを知らない世代の方はもちろん、はるか昔で、対処方法に迷われている方も、是非今のうちに、お気軽にご相談ください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール