Kawase Reto To Opushon Torihiki Ifa Japan

為替レートとオプション取引

こんにちは。

さて、今回は前回に続き、“米ドル円”の為替レートについて考えてみたいと思います。

現在、日本はゴールデンウイークに入り、金融機関も今週は3営業日しかありませんが、海外市場はそんなことはお構いなしに、為替レートの中でも特に“米ドル円”は大きく上下動を繰り返しています。

先週4月26日金曜日に、米国の3月の個人消費支出(PCE)が発表された後は、市場予想より堅調だったため、米国の金利はますます下がりにくいということで、NY市場では158円台まで米ドル高円安が進んで引けました。
元々、日銀がそれ程早急に為替対策で金利を引き上げるという事はなさそうだということで、強含みだった米ドルが、NY市場で一気に値を上げた格好です。

これを受け、週明け、日本が休みのアジア市場で、160円台まで急上昇後、今度は154円台まで急落し、再び156円台まで戻るという“ジェットコースター相場”を繰り広げています。

市場がこのように投機的な思惑で、売買を繰り広げている要因としては、思惑によるドル買い、高頻度取引(HFT)による影響もありますが、加えて、為替の“オプション取引”が関係していることが考えられます。

例えば155円を超えたら、日本の金融当局の介入がはいると予想する場合、157円近辺で、米ドルのコールオプションの売り手に回ることがよくあります。

その場合、実際には介入がはいらず、157円を超えてドルが高くなってしまうと、当初の設定レートで米ドルを取引の相手に売らなくてはならないため、自動的に現物の米ドル買いをせざるを得なくなります。
このような為替取引の技術的な問題で、やむを得ず米ドルが買われているという側面もあるのです。

なぜ、こんな話をご説明しているかと言うと、実は、こういったオプションが組み入れられた商品が、社会問題ともなった「仕組み債」として、一般の方にも販売されているからです。

通常、オプション取引の売り手になった人は、理論上は“無限大のリスク”を負うことになります。そのリスクに対して、オプョン・プレミアム(万が一に備える保険料のようなもの)が支払われ、これが「仕組み債」の高金利の源泉となっているのです。

問題は、このプレミアムがいくらで、「仕組み債」に、その分が正当に金利として反映されているかどうかは、個人投資家には、計算のしようがないという事です。

このように、ご自分には関係が無いと思っても、オプション取引などの金融派生商品(デリバティブス)が組み込まれた金融商品は、たくさん世の中に出回っています。

「仕組みがよくわからないものには投資しない」が大前提です。
くれぐれもお気をつけください。

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